太陽の竜と闇の青年

ナエリア=ジャリス。


これは破滅の神となったジャリスの名前。


本当の名前はドラゴン=ジャリス。


人間と添い遂げ、竜の民を新たに作り上げた、竜の民の第二祖先。


ジャリスは四神を縛ったもの。


ジャリスは竜の民の生き残りとして生きているうちに、自分が竜の民を作ればいいのでは?という考えを思い浮かべた。


それは自分の体を蝕む計画だったが、ジャリスは完成させたかった。


もう一度、あの明るく幸せな民をつくりたいとばかりに。


しかし、ジャリスはまだ子供で添い遂げることのできる年齢ではなかった。


それでもジャリスの目には大人と同じような黒光りしたものがあった。


ジャリスは人間を恨んでいた。


奴隷にされていたジャリスは人間を拒み憎んでいた。


だから、あの男もジャリスは同じ憎たらしい人間だと思っていた。


だが、男は違っていた。


初めてジャリスを普通の女性とみた男、ティーテス・ファジ。


彼は優秀な写真家で、毎日いろいろな所を飛び回っていた。


写真を撮ることが好きだった。


しかし、ファジは奴隷の国に行っては悲しい顔をするのだった。


そしてある日、ジャリスは泣き崩れているファジに声をかけたのだ。


どうせ狂った人間へとかわっているであろうと考えながら。


「どうしたの?」


ジャリスに気づいたファジはゆっくりと顔をあげた。


その瞳をみてジャリスは少し魅入ってしまった。


彼の目はなんとも綺麗で、だが、すこし恐ろしい赤色の目をしていたのだ。


「四神の神が死んだ。この国は壊れてしまうのか」


ファジは四神の神を知っていた。


四神の神を知るものは極わずかしかいないはず。


だけどこの人は知っている……。


「壊れないよ。だって、国は皆の宝物だもの。皆が壊すはずがないよ」


私は動揺を悟られまいと笑って言った。


この人の目に魅入られてから、少し怖かった。


私のすべてを悟られそうで、怖かった。


「だが、四神が死んだことは確かだ。そうすれば、次は誰が四神になるのだ?」


ファジはとても四神が好きなのか、四神が死んだことに恐怖を覚えていた。


その姿をみたジャリスは、この人を助けないと、と反射的に思った。


だから、ソッと手を乗せた。


「四神は死んでいない。生きているよ。ただ、翡翠が壊れただけ。翡翠が元に戻れば、すべて元に戻る。こんな時代も終わる。そのために、あなたや私がいるんだもの」