太陽の竜と闇の青年

皆、ルウに助けられている。


それにしても……。


「イコの呪ったあいつらって誰のことだ?」


イコは恐ろしく不敵な笑みを浮かべて俺をみた。


「ニンゲン」


その瞬間、背筋がゾッとした。


……コイツ……もしかしたら……。


恐ろしい力を持っているんじゃ……。


俺の顔が強ばっているとき、イコがガシッと俺の服をつかんできた。


「イチ、イコは……ルウのこと、尊敬してる。イコとは違うニンゲンだけど、だから、眩しくて、尊い存在。だから、ルウの敵ならば、イコは誰でも殺せると思うんだ。例えそれがイチであっても……イコであっても」


イコはグググと俺の腕を掴んだ。


「……っ!」


俺はイコの恐ろしい腕力に声を失った。


イコはそんなことおかまいなしに怖い笑いで俺に話続ける。


「でも……困った。もしかしたら、イコはそのこと、忘れるかも。だから、お願い、イチ。もしも、イコが元凶になったとしたら……許さないで。ルウを助けて。イコを……イコを殺して……?」


俺は驚いてイコを凝視した。


「でも、今は大丈夫。今は、トゥーナ様のほうが大切だから」


「え?」


俺が質問をしようとしたとき、イコは青竜からズルリと滑り落ちた。


俺は慌ててイコの手を掴もうとした。


しかし、その必要はなかった。


イコは翼を広げた。


なぜかその灰色の羽が悪魔のような羽にみえた。


「トゥーナ様、見つけた!イコ、いく!バイバイ」


俺に手を振ったイコは、さっきとは打って変わって明るい青年だった。