太陽の竜と闇の青年

”臭い ”


”うぇ!? ”


”違う。貴様の体臭ではない ”


”じゃ、じゃぁ何? ”


”分からん。ただ……鬼と同じ匂いがする ”


フィンドと同じ匂い……?


私が首を傾げたとき、白虎が崖を跳んだ。


「我が主、もう少しでつきます。イヴィン湖へ」


イヴィン湖。


そこは世界で最も美しいと言われている湖である伝説もあった。


その湖は夜になると、竪琴の音が鳴り始めるらしい。


しかも、その音が鳴り始めると、必ず湖の中心に女の人の影がみえるようになるらしい。


人々はその女の人を恐れ、夜になると湖へはいかなくなったのだ。


白虎の話だとジャリスは湖は好きだったらしいし、フィンドがその湖にいるっていうんだからきっと間違いないだろうと思う。


白虎がゆっくりとスピードを落とし始める。


あぁ、もうつくのかな……?


「……つきましたよ」


私の予想通り、白虎は湖の前でピタリと止まった。


私は白虎から降りて湖のギリギリ前まで歩いた。


白虎も人型になって立ち止まる。


「ねぇ壱たち追いかけてきてくるかな?」


私が笑って聞くと、白虎は苦笑いを浮かべた。


「さぁ?どうでしょう。ここをみつけるのは難しいでしょうね。さすがの青竜もお手上げかもしれませんよ」


私と白虎が笑っていると、湖に人が現れた。


私はギュッと笛を握った。