太陽の竜と闇の青年

動国へ向かう前日。


「えっ!?ジャリスの居場所が分かったぁ!?」


「しっ!!!!!!!」


私は白虎に口をおさえられた。


「朱雀様たちに知られては困りますでしょう」


白虎に叱咤され、私は少し静まった。


「で、でも、どうやってわかったの?」


私は白虎の手から口を退けた。


白虎は私を見下ろして真剣な面もちで言った。


「我が主、最近体が軽いと思いませんでしたか?」


……そういえば最近は体が軽い。


前までは少し重い感じがしていたのに。


ハッとして私は白虎を見上げた。


白虎はニヤリと不敵に笑う。


「まさか……」


「そのまさかですよ。フィンドに先に動国にいって調べてもらっていたんです。さすがフィンドですね。すぐにジャリスの気配を察知し、居場所まで突き止めてきたのです」


だからかぁ、最近話しかけても返事がなかったのは。


てっきり寝ているもんだと思っていたけどなぁ……。


「そこで……我が主に聞きたいことがあるのです」


白虎は私の前に正座をした。


そして俯くと、重々しく口を開けた。


「我が主は……動国で死ぬ覚悟はおありですか」


そう聞くと思っていた。


だけど実際に聞かれてみたら結構重いかもしれない。


鋭い棘が深く心に刺さったかのように心臓がいたんだ。


動国で私は確実に死ぬだろう。


動国で私の人生は終わりだ。


「ねぇ、白虎、一つだけ気になることがあるんだよね」


白虎は俯いたままだ。


「もし私がジャリスの要求を飲まなくて、死ななかったとすればジャリスはどうするのかな?」


白虎は小さく息を吸い込んだ。


「……この世界を破滅へ堕とすでしょう」


私は額をおさえた。


「……ジャリスは破滅の神ですから」


白虎は肩を震わせた。


それは怒りの震えなのか、それとも……悲しみの震えなのか。


「白虎。疲れたでしょ?こんな私にずっと忠実に仕えるのは……とても疲れたよね」


私は泣きそうになるのを堪えた。


白虎もまた、堪えているのだろうか?