太陽の竜と闇の青年

「ルウ?どうしたんだ?」


壱が私の顔を真っ直ぐにみてきいてきた。


その顔をみると、私が死んでしまうなんて言えなかった。


「例えば私が別人になったら壱は別人ってわかる?」


私が冗談っぽく笑って訪ねると、少しだけ壱は考え込んでから答えた。


「あぁ。すぐに分だろう。ルウはルウだから」


ピクリとフィンドの眉が動いた。


白虎は腕を組み、壁に背をつけて俯いている。


二人が何を考えているのかは分からなかった。


「じゃぁ私が別人になったら壱はどうするの?」


壱はまたまた考え込むようにした。


慎重に言葉を重ねていく。


「そうだな……どうもできないかもしれない。ルウを殺すことは出来ないから。だが……別人のルウから離れることはできる。一人で旅にでる」


それを聞いて安心した。


決してジャリスとは生活しないで欲しかった。


だから、その返事を聞いて安心した。


だけど引っかかる部分もあった。


そんなに簡単に別人って分かるんだろうか?


相手は神だ。


「じゃぁ私が死んでしまったら壱はどうする?」


壱は私を凝視した。


私はニコニコと笑ったままだ。


そこでようやく白虎が顔をあげた。


そうか。


白虎はこの質問の答えを聞きたかったのか……。


「……死なせはしない」


壱が私を真っ直ぐにみた。


その顔をみた瞬間、とても悲しい気持ちになった。


死ぬことが怖くて怖くてたまらなくなった。


「だが……もしルウが死んでしまったら俺も死ぬだろう。ルウがいない世界は空っぽの器だ」


白虎はそれを聞くと、私の傍に近づいた。


「我が主」


私は小さくうなずくと、朱雀と玄武、青竜を部屋へと入れた。


フィンドは私の体に入り、白虎は動物へと姿を変えた。


私はゆっくりと椅子から立ち上がって、壱の頬にキスをした。


「ありがとう。大好きだよ。壱」


今までにないぐらい優しく笑って壱にいうと、私は白虎の背に飛び乗り、外へと飛び出した。