太陽の竜と闇の青年

そして、リドゥーが先に攻撃をしかけた。


剣を縦横無尽に繰り出し、なんとか壱の隙に潜り込もうとする。


壱は間をとりながらいつもの慎重な姿勢を崩さなかった。


まともに打ち合うことはせず、リドゥーの攻撃をなぎ払ってばかりいた。


互いに攻撃をしないままじりじりと円を描くように地面をすべっていく。


結局、リドゥーの攻撃を避けるか、壱からの攻撃をおそれたリドゥーがそれ以上攻撃を追求することはしない。


そして、またすぐに離れる。


そんな状態が何度も続いた。


壱がゆっくりと汗をぬぐう。


それでもリドゥーは動かなかった。


リドゥーからは攻撃を仕掛けない。


それを徹底することで壱の戦意を削いでいることがわかった。


壱がゆっくりともう一度汗をぬぐった。


この一瞬でリドゥーが動いた。


壱が腕を額に当てた瞬間、するどく剣を突いてきたのだ。
リドゥーが剣を突いてきたら壱には避けるか受け止めるしかない。


ギィンと重く鈍い音がした。


壱がリドゥーの突きを受け止めたのだ。


ぎしぎしという音がするほど二人は剣に力を込めて見合った。


力負けしたのか、リドゥーが引いた。


そこを壱は見逃さなかった。


叩き付けるようにリドゥーの剣を攻撃し、あっという間にリドゥーは防戦一方となってしまった。


壱はこの瞬間を待っていたのだ。


剣を失ったリドゥーは身を引いて盾で受け止めようとするものの、そうはさせじと壱が間合いをつめていく。


何度目かの激しい戦いで決着がついた。


鈍い音が、争いの終わりを知らせるように光を放ちながら響きわたった。


リドゥーの盾が頭上でバラバラと割れながら午後の強い光を受けて、光をまき散らす。


そして、二人から少し離れたところに落下し、まっすぐに破片は地面に突き刺さった。


その行方を目で追っているうちにリドゥーの喉元に壱の剣の先がせまっていた。


しばらくの間、誰も喋らなかった。


小鳥のさえずりさえ聞こえない。


泉の音さえ聞こえない。


そして、リドゥーの声が聞こえた。


「完全に力負けだ……。君は強い。誰よりも……。認めよう……。ルウちゃんは君に渡す」


壱がそれを聞いて満足気に剣を鞘にしまった。


呆然として腰が抜けてしまっている私の元に歩いてきた。


そして、


「……おいで、ルウ」


笑顔で言ってくれた壱に私は抱きついた。


「壱!!!!!!!」