太陽の竜と闇の青年

[壱]


何もやる気が起きずにただ惚けているだけの毎日を送ることに飽きてきた頃、突然シェイが和国にやってきた。


俺の部屋に入れ、よくシェイをみると、この前見たときよりもずいぶんと痩せていた。


そして、相変わらず


「おぇ……うっ……うぇ……」


血を吐き出しては苦しんでいた。


そして唐突に俺に言ってきた。


「俺はもう死ぬ」


俺はシェイの背中をさすっていた手を思わず止めてしまった。


「肺を喰われたんだ。もう長くはない。次は心臓だろう」


だから今日あった時からずっと息が荒かったのか。


「俺はもう言葉もろくに操れない狂った獣だよ。貿易だってやっていくことにいっぱいいっぱいだ。もうユーユルを見てやることができない。だけど、火床にはユーユルを行かせない。だから俺はセント家である契約をしてきた」


ある契約……。


シェイの虚ろな瞳が俺を見据えた。


「俺とユーユルの命は同等だ。だから、俺が死んだらユーユルにはもう関わるなと言った。俺とユーユルは同じ価値ある。俺が死ぬということは、ユーユルもセント家からは死んでいるということになる。これでユーユルはもう縛られないんだ。だけど、俺の変わりが存在しないんだ。お前言ったよな。もし俺が死んだらユーユルを預かるって」


俺がうなずくと、シェイが小さく笑った。


「肝っ玉の座ったやつだ。これで俺も安心した」


俺は思わずシェイに言った。


「だけど、あんたはまだ死ぬな!」


シェイは苦笑を浮かべ、俺をみた。


「命がある限りは生きるさ。だけど、ガタがきていることはわかっている。出きるならもっと健康な体でいたらよかったかもな」


俺はぐっと拳を握りしめた。


「お前は死んではいけない人だ。絶対に」


シェイが軽くうなずく。


「あぁ。知っている。自分が人間にとって不必要な人間だとは思っていない。ただ避けられない運命っつーのもあるってことだよ。まったく世の中は厳しいねぇ」


ハハッと力なく笑ったシェイの顔が恐ろしく弱々しかった。