太陽の竜と闇の青年

ダルいし気持ち悪い。


混乱する頭をみなかったことにするかのように私はとにかく目を伏せてた。


何も聞こえない。


静まり返った部屋だったのに、突然扉の開く音がした。


「ただいまっと」


リドゥーののんびりとした声が聞こえ、足音が聞こえる。


「……ルウちゃん寝てるよ」


独り言なのにまるで誰かに話しかけているみたいに聞こえた。


その直後、ひんやりとした手が私の額に当てられた。


ソッと目をあけてみると、私……じゃなくてフウがいた。


「……ルウー?」


目を開けた私にフウが心配そうに私の名を呼んだ。


「大丈夫?」


「……うん。大丈夫だよ」


掠れた声でつぶやくと、フウがニヤッと笑った。


「こんな弱り果てたルウ久しぶりにみるなぁー」


私が苦笑を浮かべてフウに言った。


「うるさいなぁ。こっちはいろいろと困ってるのー」


フウがチラッとリドゥーをみた。


リドゥーは私たちの声が聞こえてないのか、二階に上がってった。


「リドゥーから全部聞いた。ちょっとルウが心配になって来てみたんだ。一応壱にもリドゥーに内緒で手紙を出した。けど、多分返事は来ない。リドゥーが手紙の返事の道を閉じてしまうだろうからね。ルウ、僕はリドゥーに逆らうことはできない。だから、ここからルウを連れ出して壱の元へ向かわせることもできない。けど、僕はルウが望むんだったらできることだったらやってみる。ルウ、僕は何をすればいい?」


喉が締め付けられるようだった。


フウは何も変わっていない。


そのことに何故か安心した。


「リドゥーのことを疑ってるわけじゃない。けど、私には
どうしても壱のこと信じられないんだ。いや、信じれるけど、でも……」


フウがうなずいた。


「言いたいことはわかる。つまり、僕に真相を突き止めてこいってことだよね」


「うん。お願い」


「大丈夫。だけど一つだけ約束してくれる?」


フウの真剣な目線が私の真剣な目線とぶつかった。


「たとえ壱が信濃っていう女の人に移り変わっていてもね……ルウ、君だけは変わってはいけない。ルウだけはその性格のままでいてほしいんだ。これが約束だ」


私が深くうなずくと、フウが立ち上がって二階にいるリドゥーを呼んだ。


「リドゥー。もう用は済んだ。帰るよ」


リドゥーから階段から降りてきた。


少しだけ驚いた顔をしていた。


「もう?もういいの?」


「うん」


「……そ。じゃぁ途中まで送るよ」


「ありがとう。じゃぁねルウ」


軽く手を振ってくれたフウに私も手を振りかえした。


「昔の私だったら貴方にすべてを差し出したのにね……」


私は前に座ったリドゥーにそう呟いていた。