太陽の竜と闇の青年

しばらく突っ立ていただけのユーユルがおもむろに動いたのだと分かった。


だからといってどうすることも出来ない。


ユーユルの伸ばした手が首筋に添えられる。


痛いし冷たい。


どういうつもりだと問う前に首を絞められる。


ちくしょう、やめろ、やめろ、ただでさえうまく息をつげないのに、その上かろうじて得られていた酸素まで奪われてしまっては今度こそ気をやってしまう。


屈辱と苛立ちで沸騰しそうな体内を血が逆流する。


痛みに顔をしかめた瞬間、ユーユルが離れた。


一歩引いた位置で何を考えているのか、こちらを向いたまま再び微動だにしない。


全く意図の読めないその様子を横目にすぐには治まらない体の痛みにじっと耐える。


ようやく痛みが静まりかえた頃、ただ痛みが減少する以上に気がついたことがあった。


「肺まで喰われたのか……」


もうそろそろガタが来ているこの体に嘲笑を浮かべた後、ユーユルに訪ねた。


「さっき、僕を殺そうとしたの?」


ユーユルが首を横に振った。


「正直に答えなよ」


数秒の間黙っていたユーユルがゆっくりと口を開けた。


「……ディオが、ディオが教えてくれたの。苦しんでいる人にはこうやってしたら楽になるんだって……。だけど、シェイおじさん、もっと苦しんで……ユーユル、どうしたらいいか、わかんなくて……」


僕はユーユルに手を伸ばし、首を掴んだ。


ユーユルがビクッと怯える。


「……ディオの言うことはもう聞かなくていい。あんな奴の言うこと、もう二度と聞かないで」


穏やかにそう言うとユーユルは小さくうなずいた。


返事を聞いた僕はユーユルの首から手をのけ、ゆっくりと立ち上がった。


「おいで」


手を伸ばすと、僕よりももっと小さな冷たい手がギュッと握った。