「あれ……?リドゥー?」
その日の昼のことだった。
滅多に来ることのないお客様が風国に来た。
「やっ。久しぶり」
僕もルウも気に入っていた声で軽く挨拶をされて、僕は慌てて立ち上がった。
「ど、どうしたの!?珍しいね!」
リドゥーは微かに笑みを浮かべ、僕に言った。
「二人だけで話がしたいんだけど。誰にも聞かれない部屋とかある?」
多分ルウのことだろう。
僕が軽くうなずくと、リドゥーはニコッと笑った。
「それで?二人で話したいことって何?」
和国の畳っていうのが気に入って作らせた部屋に僕とリドゥーは向かい合って座っていた。
リドゥーは出された粗茶を一口飲んで直球に僕に言った。
「ルウちゃんが俺のところに逃げてきた。理由は多分壱っつー男と喧嘩したんだと思う。……ルウちゃんが壱を殺しかけたって言っていた」
リドゥーはルウを大切にしている。
ルウを一番に考えている。
ルウに会わない時でもルウの声をいち早く聞けるように耳を澄ましている、そう聞いたことがあった。
「ルウが壱を殺しかけた?」
僕が眉をひそめると、リドゥーが軽くうなずいた。
「そ。本人が言ってたから確かだよ。それで、壱っつーのがルウちゃんの夫だって聞いたから俺、ちょっと気になって会いに行ったんだ。壱っつーやつに」
「あ、あぁ。そうなんだ。どうだった?アイツいい奴だろ?僕、壱好きだよ」
すると、キッと細長い目が鋭く光り、僕を睨んだ。
僕が驚いて目を見張ると、リドゥーが珍しく声をいつもより低くして言った。
「……いい奴?あんなの全然だめ。浮気者だよ」
浮気者……?
僕はポカンと口をあけた。
「そんな、リドゥー……冗談はやめてよ。壱が浮気者なんて……そんな、バカな……」
リドゥーは小さなため息をつき、僕を軽蔑するような目で見下ろしてきた。
「フウ君もルウちゃんと同じこと言わないでよ。俺は嘘はつかない。それ知ってるじゃん」
確かにリドゥーは嘘はつかない。
それだけは断言できる。
だけど、壱が浮気なんてことも考えつかなかった。
リドゥーが小さなため息をもう一度つき、ルウの身に何があったのか詳しく話してくれた。
「壱はまだ迎えに行ってないの?」
「来てないね。来たとしても今更俺が通すと思う?」
鼻で軽く笑ったリドゥーに俺は違和感を感じた。
リドゥーは優しいけど、たまに獣のように鋭い目をして、相手が怯むほど雰囲気が怖くなる。
まるで今がそんな感じ。
多分、違和感はそれだと思う。
その日の昼のことだった。
滅多に来ることのないお客様が風国に来た。
「やっ。久しぶり」
僕もルウも気に入っていた声で軽く挨拶をされて、僕は慌てて立ち上がった。
「ど、どうしたの!?珍しいね!」
リドゥーは微かに笑みを浮かべ、僕に言った。
「二人だけで話がしたいんだけど。誰にも聞かれない部屋とかある?」
多分ルウのことだろう。
僕が軽くうなずくと、リドゥーはニコッと笑った。
「それで?二人で話したいことって何?」
和国の畳っていうのが気に入って作らせた部屋に僕とリドゥーは向かい合って座っていた。
リドゥーは出された粗茶を一口飲んで直球に僕に言った。
「ルウちゃんが俺のところに逃げてきた。理由は多分壱っつー男と喧嘩したんだと思う。……ルウちゃんが壱を殺しかけたって言っていた」
リドゥーはルウを大切にしている。
ルウを一番に考えている。
ルウに会わない時でもルウの声をいち早く聞けるように耳を澄ましている、そう聞いたことがあった。
「ルウが壱を殺しかけた?」
僕が眉をひそめると、リドゥーが軽くうなずいた。
「そ。本人が言ってたから確かだよ。それで、壱っつーのがルウちゃんの夫だって聞いたから俺、ちょっと気になって会いに行ったんだ。壱っつーやつに」
「あ、あぁ。そうなんだ。どうだった?アイツいい奴だろ?僕、壱好きだよ」
すると、キッと細長い目が鋭く光り、僕を睨んだ。
僕が驚いて目を見張ると、リドゥーが珍しく声をいつもより低くして言った。
「……いい奴?あんなの全然だめ。浮気者だよ」
浮気者……?
僕はポカンと口をあけた。
「そんな、リドゥー……冗談はやめてよ。壱が浮気者なんて……そんな、バカな……」
リドゥーは小さなため息をつき、僕を軽蔑するような目で見下ろしてきた。
「フウ君もルウちゃんと同じこと言わないでよ。俺は嘘はつかない。それ知ってるじゃん」
確かにリドゥーは嘘はつかない。
それだけは断言できる。
だけど、壱が浮気なんてことも考えつかなかった。
リドゥーが小さなため息をもう一度つき、ルウの身に何があったのか詳しく話してくれた。
「壱はまだ迎えに行ってないの?」
「来てないね。来たとしても今更俺が通すと思う?」
鼻で軽く笑ったリドゥーに俺は違和感を感じた。
リドゥーは優しいけど、たまに獣のように鋭い目をして、相手が怯むほど雰囲気が怖くなる。
まるで今がそんな感じ。
多分、違和感はそれだと思う。

