太陽の竜と闇の青年

「リドゥー……。どうしたの?おかしいよ?」


リドゥーが私を見下ろして低い声で言った。


「ルウちゃん、気づかないの?俺、ルウちゃんのこと愛してるんだよ?壱よりも思いは強い。何でルウちゃんはアイツのことばっかり話すの?何でアイツの心配ばっかするの?今一緒にいるのは俺だよ?」


押さえつけられている腕が痛い。


リドゥーの力がこんなにも強いとは知らなかった。


「ルウちゃん。俺、どうしていいのか分からないんだ。ルウちゃんの幸せを俺は願いたい。だけどアイツにだけはルウちゃんを渡したくないんだ。ルウちゃんは俺とアイツどっちを取るの?」


泣きそうな顔に掠れた声。


リドゥーは私よりも二つ上なのに、私よりも幼い子に見えた。


「リドゥー……。私は確かにリドゥーのことが好きだよ?だけど壱の好きとは違う気がするんだ……」


リドゥーがギリッと歯ぎしりをした。


「何で俺じゃないの?」


ググッと手に力が込められる。


「リドゥー……痛いよ……」


だけど、リドゥーは力を弱めなかった。


「壱は信濃っつー女を好きになってると思うよ?それでもそんなことをいえるの?」


私はリドゥーに言った。


「だからそれを確かめに……」


リドゥーが顔を近づけた。


二人の息が感じられるほど近くに。


「確かめなくても分かるよ。壱はルウちゃんを取り戻しに来ていない」


ドキッと心臓が跳ねた。


図星だった。


「でも、それはリドゥーが壱を導いてないだけ……」


「俺のせいにするの?俺、さっき言ったよね?ルウちゃんの幸せを願うって。もしあいつがルウちゃんを連れ戻しに来たんだったら俺は導く。嘘はない。だけどアイツは来ていないんだ。現実をみなよ。ルウちゃん。君はそんなにも甘えん坊だった?」


私は身じろぎした。


けれど体が動かない。


「り、リドゥー……」


私がどんなにせがんでもリドゥーはのかなかった。


「ルウちゃんは何で壱のことが俺よりも好きなの?初めて異性の人にキスされたから?」


私が顔をあげると、リドゥーがクスリと笑った。


「壱は信濃にキスされたからルウちゃんを迎えに来てないんじゃないの?キスされた後の壱、惚けてたよ?」


「リドゥー!それ以上壱をバカにしないで!」


リドゥーの金色の目が光った。


「バカにはしてないよ。ただ真実を言っただけ。ルウちゃん、そんなにアイツが好きなの?でも、壱はキスだけで信濃に乗り移った。ルウちゃんも一緒?」


「へ……?」


その意味を聞く前にリドゥーの顔がギリギリまで近づき、唇にもう一つの唇が重なった。