太陽の竜と闇の青年

[壱]


「綺麗な桜……。あたし花で一番好きなの桜なんです」


そういえばルウも桜が一番好きだったな……。


ボケーとそんなことを考えていると、服の裾をグイッと引っ張られた。


俺が慌てて隣をみると、信濃が頬を膨らませて俺を睨んでいた。


「壱!話を聞いているんですか!?」


「あぁ……わりぃ。で、なんだっけ?」


信濃がため息をついて桜を見上げた。


「壱は何の花が一番好きですか?」


俺の一番好きな花……。


「俺も桜が好きだよ」


信濃がニコリと微笑んだ。


「そうですか。気が合いますね」


「そうだな……」


ルウとも気が合っていたんだろうか……。


どうしてこんなことになってしまったんだろうか。


俺がいけないっていうことは分かっている。


だけど、今はルウを迎えに行く気がおきなかった。