太陽の竜と闇の青年

「俺だってルウの悩みを聞くことは出来る。ルウたちが竜の民だっていっても驚かなかった。ルウたちの銀髪をみて美しいと思った。一途で、守ると決めたものは最後まで守り抜く。それでも、俺はだめなの?」


私とリドゥーは見つめあった。


「リドゥー何で、そうなる、の?」


リドゥーの目がすがめられた。


「ルウちゃんを傷つけることはあまり言いたくないし、したくもない。けど、これは事実なんだよ。俺がこの目でみたことだ」


話のつながりがよくわからない。


そもそも、リドゥーの話だったら、まるで壱が……。


「ルウちゃんの夫である空風壱は、女人から強引にだけどキスしたよ。ルウちゃんじゃない女とね」


目の前が真っ白になった。


壱が……そんなことするはずがないと思った。


けど、昨日のことを思い出すと、否定も出来なかった。


壱は信濃さんを大事にしているとは分かっていた。


「……リドゥー……そんなはず、ないよ。壱がそんなこと、するはず、ないもん」


掠れ声で弱々しくてまったく説得力がなかった。


リドゥーが私を抱き上げ、布団の上に下ろしてくれた。


「俺は嘘は言わないよ」


確かにリドゥーが嘘を言ったことはなかった。


たった一度も。


冗談をつくことはあったけれど、嘘という嘘はつかなかった。


リドゥーがそっと割れ物に触るかのように抱きしめてくれた。


「ルウちゃん。俺らは彼らと同じ人間だけど生きていく世界が違うんだ。分かるだろう?」


リドゥーの心臓の音が聞こえる。


ゆっくりと、けれど力強く響いている。


もしもリドゥーと結婚したら?


苦はないだろう。


現にここは過ごしやすいし、嫌な者たちは来ないし、嫌悪の目など一つもない。


リドゥーだって私は大好きだし、ここは心地がいい。


私はそれでもうなずくことが出来なかった。


リドゥーのことを信じていないわけではない。


ただ確かめてみたかった。


本当に壱が信濃さんとキスをしたのか。


私がリドゥーから身を離し、立ち上がり、家からでようとしたとき、グイッと腕を引っ張られた。


その力は驚くほど強く、呆気なく私は布団の上に押し倒された。


「ルウちゃんは俺のものだ。あんな浮気者にやるわけにはいかない」


見上げたリドゥーの目が獣のように鋭かった。