私は少しだけ混乱しながら朱雀にすがりつくように言った。


「もう少しだけ詳しく教えてくれないかな?」


朱雀は少し考え込むようにしてから言った。


「この続きは、説明が上手な玄武に聞いたほうがいいと思います。楽しみは後にとって置いたほうがいいでしょう?」


私は、苦笑いしながら朱雀を見た。


「そうだね。じゃぁ、玄武を呼んでくれるかな?和国にいるんでしょう?」


朱雀は両手を重ねた。


その途端、大きな岩の周りに何十本もの火柱が立ち上った。


「うわぁ!!」


私は、少し驚きながら火柱を見た。


「これで、きっと玄武は目覚めたはずです。今、玄武は宝玉として大切に守られています。どうやって取ればいいのかは、主人が考えてくださいよ」


朱雀が優しく微笑んだ。


「主人じゃなくて、ルウでいいよ。朱雀」


朱雀は少しだけ驚いた顔をした。が、


「分かりました。ルウ」


と言ってくれた。


私と朱雀は乾いた笑いをガイヤ砂漠に響かせた。


笑いが収まると、朱雀が本来の姿、赤色の羽を持ち、朱色の体を持つ四神の姿に変わった。


「綺麗な姿だね。惚れ惚れしちゃうよ」


私は朱雀を肩に乗せながら笑った。


朱雀は思った。


この人は、こんなあたしにも笑ってくれる人。ルウは最高のご主人だ、と。