太陽の竜と闇の青年

「ルウちゃん!!どうしたのさ!!落ち着きなよ!!」


荒い息をしながら必死に止める牙城の肩には、私がつけてしまったであろう切り裂かれた傷のようなものがあった。


牙城は必死に私の体を押さえつけていたが、私の目にはもう、誰も移っていなかった。


ただ体が勝手に動いているだけ。


偶然にも首にかけていた紐が切れ、四神の翡翠がそこらに四つ転がっている。


だけど、中からでてくる気配はまったくなかった。


信濃さんの片頬がえぐれたようになって、血がでていた。


「ば、化け物だわ!!!」


信濃さんは私を怯えたようにみた。


その瞬間、障子がバッと開け放たれ、目を見開いた壱の顔が見えた。


だけど、私はそんな壱の首をーーー。


掴んだ。


「……放せ……ルウ」


壱の顔が歪む。


そんな壱の顔をみていて、私はもっと苛ついた。


私の意志じゃない。


けど、手の力はどんどん強まっていく。


「ルウ……放せ」


壱が宙に浮かんだ。


その時、パァーーーンという高い音がし、私の手から壱が落ちた。


痛いとも感じない。


ただ腕がなくなったような、そんな感じがした。


壱が尻をついたまま唖然とし、私の腕をみた後、バッと横を振り向き、呟いた。


「……信濃……。おまえ……」


信濃さんの顔は見なくてもわかった。


ただ無情に銃を持って、私を睨んでいるだろう。


壱を助けたいとばかりに銃を撃った。


ただそれだけだ。


銃の弾は私の腕を貫通し、壁に食い込んでいた。


「SF56の銃弾の強さって、強いんだね」


私が呟くと、信濃さんがまた銃を構えた。


「お、女だからってバカにしないでよね!!あたしだって好きな人を守るくらいの力はあるんだから!!」


私は静かに壱を見下ろした。


初めてかもしれない。


こうして壱を見下ろしたのは。


身長の高い壱はいつも私を見下ろしていたっけ。