太陽の竜と闇の青年

「え?え?」


私がオドオドすると、牙城が立ち上がって私を庇うようにして女人をみた。


「何しにきたの?」


女の人は形のいい唇をゆっくりと開けた。


「壱の妻になった人を見に来たの」


その声は思っていたよりもふつうで、聞き取りやすかった。


「嘘だろ。ほんとは何しにきたの?」


牙城の声がいつもより低いことに気がついた。


「ほんとうよ?だからそこのいてくれない?」


女の人は私を見に来た。


私は牙城の腕を引っ張った。


「この人はどなた?」


牙城が女の人を睨むようにして私に説明してくれた。


「性悪女だよ。だけど金だけは持っているし、僕らの親には猫なで声だして気を取っている最低な奴。だから、僕らの親も騙されて壱の許嫁にしたんだ」


壱の……許嫁!?


私が目を見張ると牙城が鼻で笑った。


「コイツ、壱にぞっこんだったからね。壱のいいところは顔だって言うんだから。壱はルウちゃんみたいな子が似合うのに……。コイツは似合わないよ」


私は牙城さんの体からそっと顔を覗かせた。


女の人はフンッと鼻で笑った。


「顔だけじゃないわ。きちんと性格も分かっている。ただどちらの誰かさんがあたしから壱を盗ったのよ!」


盗ってはないんだけどなぁ……。


私は苦笑いを浮かべてしまった。