太陽の竜と闇の青年

「俺の……不安?」


ユーユルが小さくうなずいた。


俺の不安……。


そんなことよく考えたことがなかった。


だけど、よく考えてみればある。


「俺はルウが死んでしまうことが不安でしかたがない」


ユーユルが唾を飲み込んだ音がした。


自分でも知らない間に口が動いている。


「なぜか俺はたまに不安になる。明日になればルウは死んでしまうんじゃないかっていう不安。確かに剣術も強いし性格も男勝りだ。だけど、細っこくて、いつも悪いことが起きるのはルウなんだ。だから怖くなる。マランが言っていたが、ルウに入れられている刺青はその人の生気を吸っていきているらしい。だから、いつ死んでもおかしくない状態なんだ。ルウが明るい笑顔になればなるほど……不安になるんだ」


これは俺の意志で喋っているんじゃない。


だけど、本当は言いたいことなんだろう。


誰かに言いたかったんだろう。


ふと気がつくと、手がブルブルと震えていた。


それに気がついたのか、ユーユルがそっと俺の手の上に自分の手を添えてきた。


「……ユーユルもね、怖いの。シェイおじさんが変わってから。シェイおじさん、ユーユルには見られていないと思っているけど、ユーユル知ってるの。シェイおじさんが血を吐いているの。……火に火傷されちゃった体はね、長くもっても一年しか保たないの。だから……シェイおじさんが死んでしまうのが怖いの……」


昔、莢から聞いたことがあった。


大人は見てないと思っていることでも子供は見ていると。


子供は大人の感情に敏感なのだと。


そう聞いた。


その時はこの話は嘘だろうと思っていたが、本当だったんだ……。


莢の情報網をなめてはいけないと思った。