太陽の竜と闇の青年

[壱]


「なんか……シェイ兄上、変わったね……」


「そうかな?」


ルウの顔がひきつった。


初めて人を見たときにみせるルウの顔に俺と牙城は顔を見合わせた。


ルウが人に対してあんな顔をするはずがない。


ましてや二人は義理でも兄妹だ。


つまり……。


「そこまで昔と今が変わっているのか」


俺がそう呟くと、聞こえたのか聞こえなかったのか、ルウが席を立ち上がり、俺に近づいて来た。


「壱……。シェイ兄上に聞きたいことがあるんだったよね……?」


いつもより強ばった口調でそう言ってきた。


俺は軽くうなずいてシェイの前に座ったが、ルウたちを振り向いて言った。


「ちょっと二人にしてくれるか?あぁ、それから風通しをよくするために障子は開けといてくれ」


ボケーと突っ立っていた二人が慌ただしく障子を開け放ち、慌ただしく部屋から出ていった。


静かになった頃、シェイの表情があっという間に変わった。


微笑みがなくなり、まるで誰かを憎んでいるような、それであって何かに絶望したような、そんな表情。


声のトーンもまるっきり違っていた。


「……ここの空気はいいな。体がざわめかない」


障子から見える庭には桜の木が見えている。


それのおかげでここの空気は澄んだように気持ちがいい。


ふっと目をシェイに向けたとき、シェイがせき込んだ。


俺が慌てて背中をさすったとき、シェイが俺の腕を掴んだ。


「……何か袋でもなんでもいいから、何か吐けるものを持ってきてくれ……」


俺は急いで側にあった少し深さのある皿のようなものを持ってきた。


それを受け取ったシェイが吐いた。


が、


「うっ……」


俺は思わずそれをみて呻いてしまった。


イアルは荒い息をしながら口元を拭った。


その後、俺をみて口角をあげた。


「ハハッ。驚いたか?驚いただろ?口からを出す奴なんて会ったことないだろ?」


そう。


シェイは血を吐き出した


これが本当にルウの兄なのか?


本当にマリオネットでみたルウの兄、シェイなのか?


雰囲気も何もかも変わっているシェイを俺は信じ難い目で見ていた。


シェイが俺の腕を掴んだ。


「お前、俺の話を信じるか?」


僕から俺になっている。


だが、俺はシェイの話を聞きたかった。


ここまで変わったシェイに何があったのか、それを知りたかった。


俺はうなずくとシェイが俺から手を離した。


俺がイスに座ると、シェイの口が開いた。


「俺の体はだんだんと蝕まれて死んでいく。最後には血の一滴すら残らないほど蝕まれていく」


シェイの火傷をおった傷がピクピクと激しく動いた。