太陽の竜と闇の青年

[壱]


振り返ったルウの兄、シェイの顔をみて俺は思わず後ずさりしてしまった。


確かに微笑んだ顔はルウの母親に似ていた。


だが……。


「……壱さん。俺、怖いっす」


俺の側に門前でシェイを止めていた兵が俺にそう呟いた。


だが、俺もこれにはうなずくしかなかった。


シェイの顔には火傷の痕がたくさん浮いてあり、それがシェイの顔をひきつらせていた。


その火傷は首まででていた。


俺たちの様子をみたシェイがクスリと笑った。


「……君はルウの夫かな?」


ルウが俺の腕を掴んで隣に立たせた。


それはまるでビビるなと言っているようでもあった。


だから俺はルウの言う通りに従った。


「空風壱。和国の第一王子だ」


シェイがうなずいて俺に手を差し出した。


「僕はウィン=シェイ。ルウの義兄だ」


「どうやらあんたは”訳有り ”だな」


その手を取り、俺はわざと口角をあげて言うと、シェイの目が悲しそうに細められた。


だけど、口は笑っていて少し不気味だった。


そのルウも知らないであろう”訳有り ”を聞くために俺はシェイたち貿易一同を和国の中に入れた。