太陽の竜と闇の青年

「「天は絶えず難事を降らす。それが悲しい運命だと知っても我々は戦った」」


「おまえ等、本当にいらない人間なんだな」


フウのいない牢屋で、ウィンは顔も知らぬ男にそう言われた。


ウィンはただ下を向いて何も話さない。


何も話したくないかのように耳を塞いだ。


心も塞いでいるように見えた。


男がため息をついて外へでようとしたとき、ウィンの口が小さく動いた。


「誰かを犠牲にしてまで私は抗えない……。唯、運命に従う……」


男は不振な目でウィンをみた。


「何言ってんだか……」


「「竜の民なんて神への供物だ。運命は犠牲者を選びまた弄ぶだろう」」


古国から新国に連れていかれた二人は追放され、また古国に戻ってきた。


しかし、そこは……。


もう、昔の古国ではなかった。


「竜の民を滅ぼせ!!」


「この世から消え去るのだ!!」


「呪いを連れてくるものは決していれるな!!」


「あんなもの人間ではない!!」


「「「あれは化け物なのだ!!!!!」」」


矢の刺さった腕を少女は押さえ、刺された肩を少年は押さえ、必死に足を動かした。


「殺される前に殺すのだ!!」


「幼き竜の民の力は微弱。悪の芽は今のうちに摘み取っておくのだ!!」


「うまいことできた世界だ、いやになるほど」


「廻り始めた歯車は誰にも止められない」


そのとき双子の世界が消えた。


ただ真っ赤な世界が広がる。


その中心に立つ二匹の竜。


一匹は赤い炎で煌めく白銀の竜。


一匹は燃える炎よりも赤い線が入った白銀の竜。


二匹の竜がこちらを向いた。


その口が開かれた。


するどい牙の数々。