太陽の竜と闇の青年

「「生まれた時から二人は何時でも絶えず一緒だった。美しい祖母と、優しい家族と一緒に過ごす、そんな日々が何時までも続くと信じていた」」


双子たちがその戦争から消えた。


民人に見守られながら。


双子は叫んだ。


身を斬るような、愛しい叫び。


「「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


双子の消えた世界は血に染まる。


人の手で。


子も女も関係なかった。


ただどれだけ人を殺せるかの世界。


この世界をウィンとフウは見てきたのか。


だから恐れているのだ。


竜の民の掟を。


双子は命に値段をつけられる場所に立っていた。


白銀の髪をひっつかまれて。


「「生ける者にとって必要なものは死せる者にとって不必要なものばかりだ。何が欲しいのだ。屍となってまで」」


双子の連れられてきた国は蒼国だった。


壁石を運ぶ者は乾いた音に打たれ、医師を叫ぶ者は地に臥して虚しく死んでいく。


その光景を見た瞬間、腹のそこから何かがこみ上げてきた。


「うぇ…………う…………」


「「人は誰もが死すべき運命を背負っている。されど、我らの多くは死すべき運命を呪い、奪い、奪われ、虚しさで胸を満たした。神の地を汚した者を我らは決して赦さない」」


奴隷が寝る牢屋に双子は角に座っていた。


そんな双子に話しかけたのは美しい女の人だった。


けれど、服はボロボロで汚れていた。


「貴方たちが見てきたものも世の真実よ。不条理ばかり訪れる嫌な現実。されど世界はそれだけではないのよ」


その瞬間、女の人は双子の目の前で倒れた。


双子はその女の人の瞳をそっと閉ざした。


「もう……目を開けてなくていいんだよ……」


「もう……世界を見なくていいんだよ……」


双子は舌っ足らずにそうつぶやいた。


そして空を見つめる。


「「我々は今、何と戦うべきで、何を守るべきなのか?人間は何を畏れるべきで、何を愛すべきなのか?」」


古国に連れて行かれた双子は暴力を絶えず受けた。


その顔はひどく、醜く腫れ上がり、人の面影さえなかったと言ってもいい。


どうやって今のフウとウィンの顔に戻ったのかが不思議なくらいだった。