太陽の竜と闇の青年

次の日の早朝からリクは私を迎えにきてくれた。


「ありがとう」


私は微笑むと、リクも微笑んで言った。


「いや、何てことはねぇ」


すると、ジンさんがサクラとラカを後ろの馬車に乗せた。


「フウ、フウ」


私がフウを呼ぶと、フウが笑いながら近寄ってきた。


「何?」


「あの二人、よかったね」


私が笑ってそう言うと、フウも笑って言った。


「うん。いつもより仲良しになれるかもね」


私とフウは腹を抱えるほど笑った。


すると、フウがジンに呼ばれた。


「フウ様!!フウ様はこちらの馬車です」


フウは私に軽く手を振ってジンの乗る馬車に乗った。


「ルウは俺と同じ馬車だ」


私はリクの手招きで、白馬が引く馬車に乗った。


「ガイヤ砂漠に行って何するんだ?」


リクが、馬車が進み始めた頃にそう訪ねてきた。


「笛でタラバンを吹くの」


リクが眉をひそめた。


「笛で?」


私はニッコリと笑った。


「うん。私、昔から楽器を操るのは好きなんだ。結構趣味が多いでしょ?」


リクも優しく微笑んで優しく私の頭に手を置いた。


「じゃぁ、その笛音を俺は聞けるんだな?」


私は少しだけ困った顔をしながら言った。


「う、うん。まぁ……。下手だけどね」


リクはくっくと笑った。


「いや、ルウはそういいながら上手だったりするんだ。だから今回もうまいだろう」


私は懐から笛を取り出してリクに渡した。


「これ、母上からもらったものなの。すごくいい艶でしょ?滅多にとれない、竹で作られてるの」


リクは、笛にそっと触れながら驚いた顔をして言った。


「すごく、丁寧に扱われているな。整備もきちんとされている」


私は、得意げに胸を張った。


「もちろん!私がしっかりと整備しているから」


そんな私をリクは笑いながら見た。