太陽の竜と闇の青年

「俺とルウとの境界……」


ウイは目をふせた。


「そう。あなたとルウとの境界です。それだけはどうしようにもなりません」


俺は手を握りしめた。


「……ルウと俺と、何が違うんだ」


ウイは目を伏せたまま小さく微笑んだ。


「あなたは欲しいものは欲しいと言えますね」


「あぁ」


「泣きたいときは泣けますね」


「あぁ」


「異物にはなれますか?」


「……なれない」


ウイの目が開いた。


真っ赤な目だった。


髪色もいつの間にか真っ赤になっていた。


「そこですよ。ルウとあなたの境界。異物になれるか、なれないかです。神の民といっても、できるのは殺気のみ。異物にはなれません」


俺の頭の中にルウとフウの竜の姿が浮かび上がった。


竜が……異物のルウの姿……。


「竜の民とふつうの人間が一つになることなんて無理なんです。必ず人間は竜の民の神を恐れる」


俺は拳をより一層握りしめた。


「だけど俺は!!!!」


吼えた俺をウイは手で制した。


いつの間にか目も銀色で、髪も白銀だった。


「だけど、あなたなら大丈夫なのかもしれません。ルウは欲しいものを欲しいと言えないし、泣けない格好つけたがりでただのガキです。だから、もしあの子が一人で泣いていたらあなたが迎えに行ってあげてください。私が行けなくなった今、あなたが迎えに行ってあげてください。あの子はきっとあなたを待っています。時代は確かに動いています。今さら竜の民の歴史を変えることはできません。だけど、あの子たちは神に牙を剥いてはいけないんです。あの子たちが神に牙を剥く前に助けに行ってあげてください」


俺は首を振った。


そんなの無理だ。


なぜか泣きたくなった。