太陽の竜と闇の青年

「へっ!?竜の民の掟!?!?」


シルバに突然聞かれて私は持っていた桶を落としてしまった。


水が派手な音をたててこぼれる。


シルバがため息をつきながらまた水くみ場に水をくみにいった。


私はその後ろ姿を呆然とみる。


シルバ、もしかして竜の民について調べた……?


戻ってきたシルバは私の手に桶を握らした。


「掟のこと、何で……?」


シルバは小さくつぶやいた。


「調べたっつったら怒られるかもしんないけど、竜の民の神のことも調べた」


頭の中が真っ白になった。


シルバにまでバレてしまったら、私たちはどこに行けばいいのだろう―――。


「ここにいればいいじゃねぇーか」


まるで、シルバが私の心を呼んだかのようにいった。


俯いていた顔が私を真正面にみた。


「竜の民の生きる理由は掟を守るため。竜の民にとって竜の民の掟とはどういうものなんだ?」


息が詰まる。


それでもなぜか、シルバには話さないといけない気がした。


私は泣きそうになるのを堪えながら川辺に座った。


シルバも隣に座る。


「別に竜の民皆が掟を守らないといけないってわけじゃないんだ……。ただ、私とフウ、竜の民の神は掟は絶対に守らないといけない。それは小さい頃から言われてきたことなんだ。竜の民の神が掟を破った時、竜の民が滅びる。滅び方はわからない。どうして滅びるのかもわからない。けど、竜の民は本当は人間に見つかってはいけない民族で、だから、竜の民は代表された人しか外には出ていなかった。ある時その代表された人が人間に殺された。民族の元へは亡骸だけが届いた。人間が殺した。でも、本当は違った。後々わかったことだけど、彼は人間のために自分の力を使ったんだ。竜の民の掟上、人間のために竜の民の力を使ってはいけない。それは第一条に書いてあることだった。彼は人間のために力を使い、突然灰になったらしい。一般人が掟を破ったことによって灰になった。だとすれば、私たち竜の民の神が掟を破ればどうなるのか。疑っていた一族の滅亡は本当にあるのかもしれない。私とフウは怖くなった。一族の命も私たちは持つことになった」


シルバは手を水に濡らした。


「それはもしかしたら偶然じゃなかったのか?掟は本当に守らなければいけなかったのだろうか?」