太陽の竜と闇の青年

・白虎・


俺がテントの中に入ると、来るだろうな、という顔をしていたシルバがあぐらをかいて座っていた。


「自分には男と二人きりになる趣味はないんだが」


「馬鹿言え。俺もだ。お前は何か知っているような気がしてな」


俺が目を眇めてシルバをみると、シルバも俺を睨むようにみてきた。


「何でそう思うんだ」


「何となく。普段翡翠の中に入れられている俺たち四神は翡翠の中では眠っているが、今回はそういうわけにもいかない。胸騒ぎがおさまらなくてな。眠いが、不承にも起きて翡翠の中から外をみていたら、お前が知ってそうな顔をしていた」


シルバは小さくため息をつくと、ゆっくりと立ち上がった。


「お前には小さくても空風たちの檻を壊してくれた恩がある。俺が不思議に思っていることを話そう。俺について来い」


俺がシルバについて行って入った場所はシルバのテントだった。


最低限必要なものだけが揃う質素な部屋。


閑散としていて俺にはちょうど良かったけれど、どこか寂しい部分があったのは、気のせいだろう。


「座れ。茶ぐらいなら出すが……」


「四神は喉は乾かないし、腹も減らない。だから何も喰わなくても生きていける」


「そうか。また知識を増やすことができた」


「そんなことはどうでもいいが、お前は何を知っているんだ?」


俺が話を戻すと、シルバも俺の前に座った。


「お前セッカチすぎ。そんなに急ぐなよ。急いでもロクなことねぇぞ」


「俺は我が主を守りたいだけだ」


シルバは鋭い目で俺をみたが、すぐに口を開けた。


「今日は自分は見張り役だった。展望台に登っていつものように見張っていた。そのとき、白銀の竜と赤い筋の入った白銀の竜が二匹飛んでいるのを見た。そのうちの一匹は自分に気がついたのか、自分を銀色の目でみていた。けれど、次の瞬間には突風が吹いた。自分の目があけられていないほどの突風がな。目を開けた時にはもう二匹の大きな竜は消えていた。その数時間後にウィンとウィン弟が現れた。それが不思議でならない。壱とウィンが喧嘩するはずがない。それに違和感がある。ウィン弟は自分をずっと見てくる上、ウィンたちの白銀の髪が白銀の竜と重なって仕方がない」


シルバは聡い。


聡く、賢い。


だからこそ、俺はシルバに目をつけた。


けれど、まさかここまで予想をたてられるとは、俺が思っている以上にシルバは大物なのかもしれない。


「白虎。何かあったのだろう?自分たちがいない時に。何があったのか教えてくれないか」


シルバの鋭い目が俺を見据えた。


その目には力強い炎があった。


もしかしたらコイツは……。