太陽の竜と闇の青年

私が手枷をマジマジとみていると、シルバがスッと立ち上がった。


「わっ、ビックリした。シルバ、どうしたの?」


私がそう訪ねるとシルバは手枷を見下ろした。


テンがビクビクした。


そんなテンをおかまいなしにシルバは無視して手枷をみた。


「錬金術がかかってる」


錬金術……?


私が首を傾げると、シルバは小さくため息をついた。


「説明が面倒だから錬金術については何も言わないが、これ、外してもいいのか?」


私がうなずくとシルバは手枷に手をおいた。


クラウドなら外してもいいっていうだろうし。


シルバは口の中で何かブツブツと呟いた。


その瞬間、手枷が光り、カシャンッと軽快な音をたてて手枷がはずれた。


「すっごい!!」


私がパチパチと手を叩いてシルバを褒めた時、ドサッと私にテンが倒れ込んできた。


「……へ!?」


「……何かはずれた瞬間、気が楽になったっていうか何というか……。ホッとしたんだと思う。ずっと縛られていたから……」


そうだ。


この子も私とフウと同じような境遇の子なんだ。


「うん……。そうだね……」


私がポンポンと背中を撫でてあげたとき、テンが泣いた。


「死ぬほど後悔した……。友達は殺された。もうこの世界であたしを助けるものなんて何もなかった。そしたらヘルが来て、あたしを預かってくれた。でも、ヘルはあたしを地下に閉じこめて餓死する人の観察をしたかっただけだった。あたしは……そんなもののためにココに来たんじゃないのに。そうやって叫んでも誰も気にしてくれない。だってあたしは必要のない子だったんだから。だから奴隷になったんだ。あたしは親に売られた。ちっぽけな金で売られたんだ。でも、あたしの親はそんなちっぽけな金を嬉しそうにもらったんだ。それをみた瞬間、嫌気がさした。親が貪欲すぎて笑えた。監視兵だって金だけで雇われた奴ら。そんな奴らに働かされてるあたしたちって一体なんなんだろうってずっと思ってた。ねぇお姉ちゃん。なんなんだろうね」


「うん……。そうだね……。私もね……たまに今が怖くなる。本当に今は現実なのかって」


テンは耐えきれなくなったのか、大声を出して泣いた。


この子はまだ……子供だ。


私とフウのような目に合わせはしない。


絶対に。


私はテンの赤髪を撫でた。