太陽の竜と闇の青年

私は微笑を浮かべて図書館から借りてきた本を取り出して皆に見せた。


「これに四方の四神について書いてあったから借りてきた。でも、かなり気になることがあるんだよね……」


私はバサッとそのページを開けた。


「……ジャリス？」


フウが、目を細めて呟いた。


「うん。このジャリスって人、白銀の髪なんだってさ」


すると、サクラとラカが眉をひそめながら言った。


「白銀の髪の人はかなり珍しいです」


「ジャリスさんは何者なんでしょうかね？」


そして、少し黙り込んでいたフウが口を開けた。


「考えれることは一つしかないよねー」


私もずっと考えていた。


けど、一つの結論にしかたどりつけない。


私とフウの声が重なった。


「「ジャリスは祖先だ」」


ラカとサクラが驚いた顔をした。


「だって、そうとしか思えない。彼女が白銀の髪で、僕たちの祖先だとしたら、血縁から僕たちの髪も白銀になることがわかる」


でも、と、サクラが困惑したような顔で言った。


「ですが、このジャリスさんはかなり若い歳で死刑にされていますし、奴隷の身だったんですから子供を作るのは無理なのでは？」


私は、そんなサクラを見つめながら言った。


「じゃぁ、何でジャリスはファジに手紙を送れたのかな？奴隷の身だったら、手紙を送ることなんて不可能なことだよ」


すると、サクラとラカがハッとしたようにバッと顔をあげた。


「そう。ジャリスは誰かに気に入られて嫁いだんだ。そこで子供を作った。もちろん、ジャリスの白銀の髪を受け継いでね」


フウもうなずいた。


「うんうん。ルウと同じ意見だよ。そして、僕たちが今、ここにいるってわけ。まぁー、ジャリスのことはわかったけど、この四神についてがよくわからないなぁ……。四神を目覚めさせる方法としては、このジャリスが書いた手紙の内容通りに進めばいいんだけど……。これ、意味不明だよー」


私はそんなフウを横目に見ながらつぶやくように言った。


「朱雀はなんとなくわかったんだよね……」


フウが目を細めて文字を読んだ。