太陽の竜と闇の青年

「この体は厄介なんだ。だから僕自身が僕は嫌いなんだよ。一度竜の姿になって人間に戻ると、必ずどこかに鱗が残ってしまう。それが消えるのに必要な日数は2週間。長いだろう?だから僕たちはいつも長袖長ズボンにターバンを巻いて全身を隠していた。ルウがズボンを穿いているのだって、そういう理由もあるからなんだよ。僕たちがターバンを巻いているのだってそうさ。確かに銀髪は目立つしすぐに命が狙われる。だけどターバンが必要ないところだってあるだろ?そこでも僕たちはターバンをつけるときがある。まだ鱗が残っている時にね」


フウの鱗は光に光って輝いていた。


その鱗は本当に蛇のような鱗で、人についているのが不思議なくらいだった。


でも私たちにとってはコレが普通で当たり前。


竜の民にとって、竜の民の神はこうでなくてはいけないのだ。


「だからルウは女ものの服を着ないのか。そんなもののために」


……。


私とフウはマランをみた。


さすがにこの言葉には私もイラッときた。


「……今までマランにムカついたことは一度もなかったけどさー、その言葉だけは引っかかるよ」


「そんなもののために?それって、マランが竜の民の神じゃないからいえることだよね?つまり、マランにとっては他人事。だからそんなことがいえるんだよね……」


「それとも、その言葉は僕たちの苦労を知った上で言っていることなわけ?それだったら逆に殺しちゃうぐらいになっちゃうけどね」


フウの殺しちゃう、が本当に起こりそうで私は背筋を思わずのばしてしまった。


「他人事って……。確かにおれぁ、竜の民になったことねぇし、何が何だかわかんねぇけどよ、お前等が今まで感じてた苦労とかは少しは分かってるんだよ」


「分かってないから言ってるんじゃないか!!分かってないからそんな言葉がいえるんだろ?そんなことでルウは女ものの服を着なかった?重要なことだから着なかったんだよ!!竜の民の神は人間に殺される。もしこれが伝説や噂だったら僕たちは信じていない。今頃ターバンなんか持っていない!!だけど実話だから……。実際に殺されたから僕たちはおびえている。いつバレるか、いつ人間に殺されるか、怯えているんだよ……」


フウの目が普通の人間である三人を見据えた。


その目は怯えていなかった。


ただ挑戦的にみていた。


自分たちを殺すのか、殺さないかと訪ねているように。