太陽の竜と闇の青年

「そうだろ?あってるだろ?本当のことをいえ」


私とフウはそれでも黙っていた。


マランは小さくため息をつくと、ポツリとつぶやいた。


「本当はわかっている。どうやって朱鷺がこっちの世界にこれたのか。偶然、偶然にもルウとフウの刻破りの射程内距離に入り、まだ一歳かそこらでルウとフウと一緒にコッチに来たんだろ?ルウやフウも、誰かが入ってきているのはわかっていた。だけど自分たちは悲しみにくれていてそんなところではなかった。それが当たり前だ。物心がついた瞬間に目の前で人が殺し合いをして、自分の大切な人たちが死んでいったんだ。悲しみにくれないほうがおかしい。だから朱鷺がその中に入っていても無視をしていた。だけど後々になり不安になる。竜の民が自分たち以外にもいることが。だけど風国の養女になったり、命をねらわれたりとだんだんとそのことを忘れていった。だが、俺がその記憶を呼び覚ましてしまった」


大きく息を吸い込む。


自分の体の震えを必死に止めようとする。


それでも止まらない。


「無理をするな。俺が暖めてやる。怖くはない。これはルウとフウのせいではない」


壱が優しい声でそう伝えてきた。


私はだんだんと心が落ち着く気がした。


マランから朱鷺が離れて私のほうへ歩いてきた。


壱が私をもっと強く抱きしめた。


そしてキッと朱鷺を睨む。


私は朱鷺に目を向けるしかできない。


朱鷺が何をしたいのかもわからないまま、私は自分がどうなるのか考えることもしないまま、ただ朱鷺をみる。


「ルウに何をするつもりだ?」


壱が大きく息を吸い込み、朱鷺に訪ねた。


朱鷺は何もないかのように壱を無視し、私だけをみてくる。


そして……。


「竜の民の神だ」


と言ったのだ。