太陽の竜と闇の青年

あの後、リクに宿まで送ってもらった。


街に入ったときは、ターバンもつけていたし、リクからも降りていた。


「今日は色々とありがとね」


私が、リクにお礼をいうと、リクが私の頬に手を当てて言った。


「俺はルウの髪が好きだ。それは事実だ。ルウが奴隷だったのも事実。俺はその事実をすべて受け止める。だから、ルウはもう恐がらなくていいんだ」


私は笑った。


「うん。ありがとう。でもやっぱり落ち着かないから双剣だけは握っておきたいな」


すると、リクも笑った。


「男前で凛々しいな」


それから、リクが王宮のほうに行くまで手を振って見送った。


「ただいま」


宿の中に入ると、フウとサクラとラカが揃っていた。


私は自分の布団にポスッと腰をおろして聞いた。


「どうだったー?」


すると、フウはにんまりと笑っていった。


「僕はかなりの収集だったよ。最高のねー」


今度はラカが笑っていった。


「わたくしもなかなかのものを手に入れました」


サクラは私の側に近寄ってきて言った。


「姫様のためにも、わたし、とても頑張りました!」


サクラの手には翡翠を首にかけるための紐があった。


「え、これのために一日全部潰したの!?」


私は驚いてサクラに聞いた。


確かに今首にかけている紐はただの茶色の紐だけど、これはこれで気に入っていた。


サクラの手に持っている紐は、淡い青色でとても綺麗だった。


「えぇ。でも、これはわたしの望みですからね!姫様のためですし」


ラカも微笑んだ。


「わたくしも付いていきましたから、姫様はかなり気に入ると思いますよ」


すると、フウがその言葉に一言付け加えた。


「へぇー。楽しく、二人でお散歩に行っていたんだー」


すると、二人は、誤魔化すようにして咳払いをした。


私は三人を苦笑しながら見て、紐を手にとった。


「これ、漆塗ってある?」


私が紐の手触りから思ったことを素直につぶやいた。


すると、二人は満足そうにうなずいて言った。


「えぇ。さすが姫様です」


「これは青の漆でできているというかなり珍しいものですよ」


私は笑いながら紐をちぎり、そこに翡翠を通して首にかけた。


「どぉ?」


三人は、パチパチと拍手しながら言った。


「うん。いいねー。結構似合ってる」


「姫様!!美しいですよ」


「姫様は本当に青色が似合いますね」