太陽の竜と闇の青年

「ルウちゃーーーんっ!」


「うひゃぁ!」


ガバッと後ろから抱きしめられて私が驚いていると、頭上で甘ったるい椿の花の匂いがした。


「牙城……奈落にいってた?」


私がそう訪ねると牙城はえへへーと笑った。


「つい先ほどまでね」


「はぁー……」


私が深いため息をついたとき、ガンッと牙城の頭にげんこつが落ちた。


「いった!」


「牙城、お前なにしてる?」


壱だ……。


壱は牙城から私を引き離そうと引っ張るけど、牙城は私からなかなか引き離れない。


わ、私の首も絞まる……。


「が、牙城、なにか私にようがあったんじゃないの?」


私が牙城にそう訪ねると、牙城はコクコクとうなずいて、私に桜色の綺麗な封筒を渡してきた。


「フウくんからだって~」


「フウから?」


牙城のいったとおり差出人はきちんとフウになっていた。


滅多にフウからは手紙はこない。


少し珍しく思いつつ封をあけて、中に入っていた紙を取り出すと、薔薇のコンロの匂いがした。


「へぇ!匂いつきの手紙か……。フウも洒落たことするな」


「え?普通、手紙っていったら匂いつきの手紙じゃないの?」


私が驚いて壱を見上げると、壱も驚いて私を見下ろしていた。


「和国では和紙だけで手紙を送るもんなんだが……。匂いつきの手紙というのは和国では許嫁相手に出したりするようなものなんだが風国では違うみたいだな」


「うん。風国では一般に匂いつきの手紙を送るよ。風国ではそれが普通なんだ。和紙とかは風国は滅多に手に入らないから珍しい一品なんだ。私も和国にきてビックリしたよ。だって風国では珍しい一品の和紙がそこら中に転がっているんだもん」


「ハハ。まぁ転がってはいないんだがな……」


そんな話をしながら手紙を読むと、フウからの伝言があった。


「大国に今すぐ来い……?」


大国……?