「……ねぇ、リク」
私がリクのほうを笑いながら見ると、リクは私の目をまっすぐにみて言った。
「何だ?」
決心したんだ。
私は、もう逃げないって。
「リク。これはリクのせいじゃない。でも、リクにも現実を見て欲しい。リクはこれから王になる人だから。だから裏の社会っていうのも知って欲しい。今、裏の社会でどれだけヒドイことをされている子がたくさんいることも。それから、コレも」
私は上着を上にあげた。
と言っても、リクには背中を向けて。
「ちょ、おまっ!なにしてんだよ!」
って、リクははじめ、戸惑ったように言ってたけど、私の背中を見てから黙り込んだ。
「これは、私が奴隷の時に受けた傷。風国の王宮にいた医師には、一生消せないものだって言われた。ずっと痛むんだよ。奴隷のことを聞いたら。すごく疼くんだ。フウも一緒だよ。もし
かしたら、フウのほうがヒドイのかもしれない。リク、目を背けたくなるかもしれないけど、これが現実」
リクはフッと息を短く吐いて、私の上着を下げた。
「……痛いのか?」
私は微笑しながら首を横にふった。
「もう4、5年前だから。痛くないよ」
けれど、リクは渋面のままだ。
「リク。もう私は蒼国を許している。だって今はリクが王だから。リクが王って知る前はずっと許していなかった。絶対にこの国だけは許さないって思ってた。けど、リクがいるからこの国はもう許せる。……だけど、だけどね、私はリクを許嫁として認めれない。ごめんね……。この髪がなかったらよかったのに……」
クイッと髪を引っ張る。
「ルウ、大丈夫だから。白銀の髪でも、奴隷だったとしてもいいから。たとえ、許嫁でなくても俺が守ってやるから。だから泣かないでくれ」
リクが私の肩に手をやり、グッと自分のほうに寄せた。
私は自分が泣いているってことに気がつかなかった。
私泣いてるんだ……。
何日ぶり、いや、何年ぶりなんだろうか……。
私がリクのほうを笑いながら見ると、リクは私の目をまっすぐにみて言った。
「何だ?」
決心したんだ。
私は、もう逃げないって。
「リク。これはリクのせいじゃない。でも、リクにも現実を見て欲しい。リクはこれから王になる人だから。だから裏の社会っていうのも知って欲しい。今、裏の社会でどれだけヒドイことをされている子がたくさんいることも。それから、コレも」
私は上着を上にあげた。
と言っても、リクには背中を向けて。
「ちょ、おまっ!なにしてんだよ!」
って、リクははじめ、戸惑ったように言ってたけど、私の背中を見てから黙り込んだ。
「これは、私が奴隷の時に受けた傷。風国の王宮にいた医師には、一生消せないものだって言われた。ずっと痛むんだよ。奴隷のことを聞いたら。すごく疼くんだ。フウも一緒だよ。もし
かしたら、フウのほうがヒドイのかもしれない。リク、目を背けたくなるかもしれないけど、これが現実」
リクはフッと息を短く吐いて、私の上着を下げた。
「……痛いのか?」
私は微笑しながら首を横にふった。
「もう4、5年前だから。痛くないよ」
けれど、リクは渋面のままだ。
「リク。もう私は蒼国を許している。だって今はリクが王だから。リクが王って知る前はずっと許していなかった。絶対にこの国だけは許さないって思ってた。けど、リクがいるからこの国はもう許せる。……だけど、だけどね、私はリクを許嫁として認めれない。ごめんね……。この髪がなかったらよかったのに……」
クイッと髪を引っ張る。
「ルウ、大丈夫だから。白銀の髪でも、奴隷だったとしてもいいから。たとえ、許嫁でなくても俺が守ってやるから。だから泣かないでくれ」
リクが私の肩に手をやり、グッと自分のほうに寄せた。
私は自分が泣いているってことに気がつかなかった。
私泣いてるんだ……。
何日ぶり、いや、何年ぶりなんだろうか……。

