太陽の竜と闇の青年

「私が奴隷にされていた国は、蒼国。そして、私の奴隷度はA。つまり一番厳しい場所で働いていた。それから、私とフウは13歳まで奴隷で働いていた。私が男装の服が気に入っているのは、奴隷中ずっと男装の服を着ていたから慣れてしまっただけなんだよね。奴隷制度がなくなったとき、私とフウはずっとこの国の森奥で二人で暮らし続けていた。約1年。それから、私とフウが14歳になったとき、ハランとサンが私たちの小屋を見つけた。私とフウはもちろん警戒した。風国の王がこんな辺鄙な家にくるはずもないし、白銀の髪が気に入られるはずがなかった。ずっとずっとこの髪のせいで辛い思いをしてきていたから。でもサンの説得っていうか、褒め言葉っていうのかな?その言葉を聞いて、なんとなく安心したんだ。でも後から思った。私とフウは、ただ自分が居れる居場所が欲しかっただけなんじゃないのかな?だから、サンとハランの懐に逃げ込んだんじゃないかな?って。本当に、強欲だよね……。ハハ……」


私は、顔を手で覆った。


すごく自分が情けない。


情けなさすぎて悲しくなる。


「……俺の国が悪かったんだ。奴隷制度が最も厳しかったのは蒼国だ。それに白銀の髪を一番警戒していた。だからルウもフウも奴隷度Aに回ったんだ」


横目でリクを見てみると、リクは唇をかみしめていた。


「……リ、リク!!ダメだよ。傷つけるのはダメだよ」


私は慌てて言った。


リクは唇を噛むのはやめたけど、拳には力が入ったままだった。


「すまない。話を続けてくれ。蒼国をどんなに悪く言ってもかまわないから」


私は、困ってしまった。


どうしよう……。


でも……。


「それからハランとサンはフウと私を我が子にしてくれた。だから、不自由することはなくなったけど、奴隷の時の恐怖は絶対に消えることはない。昔も、今も。それは多分、フウも同じだと思う。だから、それから逃げるように私とフウは訓練したんだ。戦うために。もし殺されることがあっても、逃げきれるように。実際、王の子だからいいように思われないと思うしさ。だから結構強くなっちゃったのかもね。奴隷の時も逃げる計画を練っていたから、結構強かったんだけどね。アハハハハ」


私が乾いた笑い方をすると、リクは悲しそうに私の顔を見つめていた。


そりゃそうだ。


奴隷になっていた思い出をはなしていて笑う人なんて、頭がおかしいとしか考えられない。