太陽の竜と闇の青年

超鬼が消えてから、私たちはまたあの速さで螺旋階段を登っていった。


「少し休憩しよう」


白虎がそういうと、私たちは螺旋階段の途中で休憩をとることにした。


その時、一番聞きたかったことを白虎が聞いてくれた。


「壱、シャーマンを持っていることを何故言わなかった」


壱はフッとため息をつくと、私をみた。


「いずれは言わなければと思っていた。だが、なかなかいう好機(チャンス)がなかったんだよ。いろいろ忙しかったし、俺の体力も限界が来ていたからな」


限界……?


私と白虎が首を傾げると壱はヤベッ!という顔になった。


「限界って何のこと?」


私がズイッと壱に近づいて聞くと、壱はため息をついた。


「マリオネットが俺の体に入ってから俺の体は少しだけおかしくなったんだよ。それについてくのに精一杯な上、走ったりするから結構キツかったんだよ。表には出さなかったけどな」


んーーーーー……。


なぁんかなぁ……。


納得いかない部分がある。


「だが、それだけではないだろう」


白虎が鋭く壱をみた。


壱は今度は深いため息をついた。


「わかった。いう。俺はマリオネットでルウとフウの過去をみていた」


私が壱を凝視すると、壱は私をみた。


あの真っ赤な目で。


「じゃぁ、あの[ごめん]って……」


壱は目を伏せる。


「そう。俺がルウの過去を勝手に視てしまうことを謝っていたんだ」


なるほど……。


これで合点がいく。


壱の様子がおかしかったのも、全部、私とフウの過去をみていたからなんだ。