太陽の竜と闇の青年

青色の壁は、苔が少しこびりついていて、それがずぅぅっと上まで続いていた。
「えっと……これ、登るの……?」


私が呆然としながら白虎に聞くと、白虎は安易にもうなずいた。


「無理でしょ!?だって、絶対に体力が持たないよ!」


私が悲痛な叫び声をあげるなか、白虎と壱はどんどんと塔に近づいていく。


「大丈夫だ。俺たちは慣れている」


壱が私の頭にぽんぽん、と手をおいてきた。


な、慣れって怖いなぁぁぁぁぁ……。


「で、でも……」


「我が主。我が主からみれば私たちはそんなにも頼りないものなのでしょうか?」


白虎の声があまりにも辛辣な感じがしたから、私は全否定した。


「そんなわけないよ!!すっごく頼りになるよ!!」


それを聞いた白虎と壱が、ニヤリと笑った。


ま、まさか……。


「でしたら、さっさと入りますよ」


「あぁ。白虎の意見に同感だ」


ダマしたなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


私の声は心の中で響いた。


「ひぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


白虎と壱は私でも見えないぐらい速く走った。


まぁ私は白虎の上に乗っているけど、風景がびゅんびゅん飛んでいく。


こ、怖い!!!


私は思いっきり白虎の首に捕まった。


「我が主は幽霊など非現実的なものが嫌いなのですね」


白虎が走りながら冷静に言った。


それに答えたのはまたもや冷静な壱だった。


「らしいな。普段強がりだが、そういうギャップも悪くない。なんなら……俺に抱きついてくるか?」


壱はニヤッと笑った。


こんのドS~~~~~~~~~~~!!!!!


「いいもん!!!怖くないからね!!」


「へぇ~」


壱が乾いた笑いをしたとき、周りが真っ暗になった。


「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


私は自分でも驚くほど変な声をだしてしまった。


「怖ぇんじゃねぇかよ」


壱が笑った。


「こ、怖くないし!」


すると、白虎が微笑を浮かべたようにした。


「我が主、見栄を張っても意味はないですよ」