太陽の竜と闇の青年

「フウとネロとテルは家に帰ってて。壱と白虎はついてきて」


私がそういうと、皆うなずいた。


「では、我は青竜様の元へ帰りますか」


天照はそういうと、フッと消えてしまった。


「え、ちょ!いる場所教えてくれないの!?」


私がそう叫ぶと、壱が白虎の背中に私を乗せた。


「白虎なら居場所が分かっているんだろ?」


白虎は小さくうなると、ダッと駈けだした。


私は必死になって白虎の首にしがみついていたけど、壱は!?


私がゆっくりと目を開けると、壱は隣で白虎と同じ速さぐらいで走っていた。


天才か、この人は!!


「びゃ、白虎!どこいくの!?」


私がビュンビュンくる風に耐えながら白虎に聞くと、白虎は低い声で言った。


「一番空に近い場所です」


一番空に近い場所……。


そこって……。


「天空の槍!?」


私がそう聞くのと同時に、白虎がとんだ。


「そこしか考えられませんね」


天空の槍は、塔のようなもので、風国では一番高い塔になっている。


天空の槍の中には螺旋階段がずっと続いていて、一番上に到着すると大きな鐘がある。


その鐘を鳴らすと死んだものが帰ってくるという噂もあるけど、父上が言うには死んだものへのお礼だそうだ。


でも、私は怖くて一度も行ったことがなかった。


幽霊とかでるって聞いたんだもん!


怖いに決まってるじゃん!!」


スタンッと白虎が飛び降りたその目の前には、天空の槍が広がっていた。


こ、怖い……………………。