太陽の竜と闇の青年

「ってことで、今日からテルは僕の妻だから。テルに何かあったら君たちでも容赦はしないからね」


フウはニコニコしながらいった。


うん。


満足そうでいいんだけどさ……。


その笑顔、逆に怖いよっ!!!


私が苦笑いで笑ったとき後ろから声がした。


「ようやく見つけましたね」


私が振り返ると、そこには金目金髪の髪をうしろで一つに束ねた凛々しい顔立ちをした青年がいた。


「あぁー!お久しぶりだね」


私が笑って言っても天照はあの真面目な性格で私に言った。


「青竜様が首を長くして待っていますよ。早く目覚めさせてあげください」


私がうなずいたのと同時に、壱が天照を見据えた。


「お前は誰だ?」


すると、天照はうやうやしく頭を下げた。


「我は天照犬神。青竜様の侍従でございまする」


ネロはフンッと鼻をならした。


「青竜様って誰だよ」


その言葉に過剰に反応したのはもちろん天照だ。


「青竜様というのは雨を司る神様でごいざいまする。また青竜様は責任感が強く、凛々しいお方でございます。ただし……少し女性っぽい雰囲気がありますがね」


天照は私に視線を向けた。


「白虎が青竜様を蘇らせた今、青竜様は天であなたが自分を呼んでくれるのを待っています。それを伝えてこい、と我は頼まれたのです。青竜様は早くあなたに会いたがっています。今すぐにでも迎えに行ってください」


そのとき、翡翠がカッと光った。


そして……。


「んにゃ!」


「うわ……」


私はドサッと倒れ込んだ。


目をゆっくり開けると、すごい形相になっている壱とネロの顔と驚いている白虎の顔がみえた。