太陽の竜と闇の青年

「フ、フウ君!どこに行くんですか?」


僕は山中をどんどん進んでいく。


後ろからはテルがあたふたしながらついてきていた。


そして、あの花畑につくと、僕はテルをまっすぐにみた。


テルは僕よりも少し背が小さいから僕を見上げている。


「テル、よく聞いてね」


僕がそう慎重にいうと、テルは首を傾げながらもうなずいてくれた。


「僕と結婚してくれない?」


テルはだんだんと真っ赤になっていった。


意味、分かったってことだね。


「分かってくれたみたいだね」


僕が優しく笑うと、テルは困った顔をした。


「で、ですが、私は平民ですし、それに、それに……」


僕はその言葉を止めた。


「平民だからなに?」


すると、テルは何かを決心したように僕をみた。


「王族は王族と結婚しなければいけません!私のような礼儀もなっていない娘など……」


僕はテルをみた。


テルは本当に困っている顔をしていた。


「わ、私ではフウ君につり合いません。フウ君が王となったとき、平民の嫁を貰ったなど、笑い話にされますよ」


……………………。


「テル。きちんとこっちをみて」


僕はテルの顔をこちらにむかせた。


「僕は僕のことを聞いているんじゃない。君の返事を聞いているんだよ。王族が王族と結婚しないといけないって誰が決めたのさ。それに、誰が笑い話にするの?」


テルはうっと言葉に詰まった。


「ねぇ、僕のことが君は嫌いなの?」


すると、テルは俯いた。


「いえ、そうでは……」


なら、何がダメなんだよ……。


僕は小さくため息をついた。


それを聞いたテルが顔をあげた。


僕は少し驚いて眉をあげた。


「あ、あの!!」


テルは真っ赤な顔で僕を見上げている。