太陽の竜と闇の青年

俺が自分でうんうん、とうなずいた時、チビが俺の顔をのぞきこんでいた。


近っ!!


俺が驚いて後ずさったとき、ポロリと懐から青色の翡翠が落ちた。


それを壱とチビが驚いた顔をしてみた。


俺が拾って二人の前に差し出すと、二人はそれを大切なものでも扱うようにさわった。


「それがどうかしたのか?」


確かにその翡翠はとっても珍しいものだった。


水色の翡翠の中に、濃い青で竜が描かれていたものだった。


「これ、どこで拾ったの!?」


チビが俺の肩を掴み、ガクガクと揺さぶった。


俺は顔をしかめながらも答えた。


「俺の家の前で拾ったんだよ!偶然落ちていたんだ。そのときは丁度雨の日だったから拾ったんだよ!」


チビが俺を揺さぶるのをやめた。


「雨の日……?」


俺は首をコキコキといわせてうなずいた。


「あぁ。雨の日さ。なんならそれ、チビにやるよ」


チビは俺が思っていたほど明るい顔になりニコッっと笑った。


……なんつーか、こんな笑顔が毎日みられるなんて壱は羨ましいぜ。


俺はなんともいえない複雑な表情になった。


その顔をみていた壱は小さく笑ってチビにいった。


「それも紐につけておいたほうがいいんじゃないか?」


チビは壱の言葉にうなずいて、首の紐を解いて翡翠の穴に紐を通した。


「完璧!」


チビは嬉しそうにして首の翡翠を撫でた。