太陽の竜と闇の青年

「何だ!?」


俺が驚いて小屋がある山の上を見上げると、チビが猛ダッシュでこっちに走ってくるのがみえた。


壱が瞬間的に走り出した。


はえぇ……。


アレでまだ弱いって嘘だろ。


「ルウ!!!」


壱が手を広げた。


ルウがピョンと飛んで壱の腕の中におさまった。


俺は痛む胸をギュッと握り、壱たちのほうに歩いていった。


「どうしたんだ?」


壱がルウを降ろしながら聞くと、ルウは青ざめた顔で言った。


「わ、わかんない!突然剣を振り降ろされたんだ!しかも私に向かってだよ!私、なんかしたぁ!?」


俺はルウの顔をみて仰天した。


「ル、ルウ、その顔……」


ルウの顔には不思議な刺青がいれてあった。


するとルウはニコッと笑った。


「あぁコレ?すごいでしょ。竜の民には刺青が本当はなくちゃいけないんだよ。それがようやくでてきたんだ」


俺はポカッとルウの頭を叩いた。


「いったぁ!」


「お前はバカか!!風国には他国からの奴らもきているんだぞ!そんなところで安易にターバンを外すんじゃねぇよ!!竜の民ってだけで殺されかねないんだぞ!!」


俺がそう叫ぶと、ルウが


「えぇぇぇぇえぇぇ!!!!!!」


と、叫んだ。