太陽の竜と闇の青年

壱が口を開けようとしたとき、周りの声がざわざわと大きくなったのがわかった。


「フウ様だ!!!」


「じゃぁ、後ろにいるのはルウ様?」


「まさか!」


「でも、もう帰ってきてもいいんじゃないのかしら」


「あぁ、ターバンをのけてくれたらいいのに!」


「でも、フウ様とルウ様だったら後で下町にきてくれるでしょう」


「そうね。それまで待ちましょうか」


「あぁ。早くきてくれないかしら!」


「あたし、ルウ様のお話を聞くの大好きなの!」


「俺はフウ様に剣術を教えてもらいたいなぁ」


そんな会話を聞いていると、隣にいた壱がフッと笑った。


私が首を傾げて壱をみると、壱は長くきれいな手で口を覆った。


「不思議なものだな。俺が褒められているわけではないのにルウとフウが褒められていると思うと、少し嬉しくなるんだ。それに、ルウとフウがこの国でどのように生きていたのかがよく分かる」


私がニコッと笑うと、壱も少し困った顔をして笑った。


「とにかく平等に!これモットー」


私がビシッと指を突き刺すと、壱はポリポリと頬をかいた。


「なるほどな。それにしても……皆が笑っている国というのはいいものだな。平民も貴族も異能者も、皆平等にはなしている。差別なんて見あたらないものだ」


私はこくんとうなずく。


そんな国には絶対にしたくない。


「同じ人間だもん」


壱が小さく笑った。


「そうだな……。俺はこの町が気に入った」


私は壱の裾を引っ張った。


「それならよかった。そしたらまた後で風国のいいポイントをみせてあげる!」


ニコッと笑った私の顔をみた壱はなぜか顔を覆い、そっぽを向いてしまった。


「ルウー!早くおいでー!」


フウにそう注意されて私と壱は慌ててフウたちを追いかけた。