太陽の竜と闇の青年

私たちが風国に進んでいくと、壱が感心したように声をあげた。


「風国はすごいな……」


私が首を傾げると、壱は微笑を浮かべた。


「いや、ここまで立派な国はみたことがない。確かに規模は小さなものだが、雰囲気がなんというか……。堂々としている」


私があはは、と笑うと、隣にいたフウも笑った。


「風国の王族たち、皆気が強いからねー。国は王族に似るっていうじゃん?」


なんか違う気がするけど、フウに言い返すことは絶対無理だから、私は曖昧に笑っておいた。


「そーいえばさ、戻ってきたから下町にも挨拶廻りしないとね」


私がフウにいうとフウは、あぁと思い出したように言った。


「テルとネロいるのかなー?」


フウは顔がニヤけるのを我慢するように言った。


そーいえば、フウってテルが好きなんだっけ?


「たぶんいるんじゃない?どうする?狸親父に挨拶したら下町に行く?」


フウがうなずいたのをみてから、私は壱を振り返った。


壱はまだ風国に入ってもいないのに門をみて驚いていた。


「壱はどうする?」


突然話題をふっかけられたので驚いたのか、慌てて壱がうなずいた。


「あ、あぁ。一度そのテルとネロという方々をみてみたいからな」


うーん……。


テルはまだしも、ネロと壱が気が合うと聞かれればどうなんだろう……?


二人とも気が強いからなぁ……。


門の前についたとき、マランがどっひゃぁー、と変な声を出した。


「毎回思うんだが……でっけぇ門だなぁ……」


私とフウが苦笑いを浮かべたとき、門兵がやってきた。


「何者でございましょうか?」


「おっ!お久しぶり門兵さん!ルウだよ!覚えてる?」


ニヒヒと笑って門兵さんに私とフウが挨拶をすると、門兵さんはうやうやしくお辞儀をした。


「これはこれは。お二人とも立派になってご帰還されましたね。ところで、そちらはターラ様と……どちら様でしょうか?」


壱に門兵が近づくと、壱は小さく笑った。


「俺は和国の第一王子の空風壱だ」


門兵は驚いた顔をして私をみた。


「ルウ様!蒼国に行って許嫁をみてきたのではなかったのではないのですか?」


私が苦笑いして門兵に事情をはなすと、門兵はあははは!と豪快に笑った。


「これは、これは。ルウ様らしいですな。フウ様も大変だったでしょうに」


フウもうんうん、とうなずいて、肩をトントンと叩いた。


「まったくだよー。すごく疲れた。ルウは僕にばっか物事を押しつけるから大変だよー。サクラの胃痙攣の理由が分かった気がするよー」


私はフウを睨んだ。


サクラの胃痙攣のもう一つの原因はフウでしょう!