太陽の竜と闇の青年

――――それから私はジャリスに会うことは一度もなかった。

だけど、ジャリスから手紙が来たことは一度だけあった。

でもそれは、ジャリスと初めてあってから20年も後のことだった。

字はとても綺麗で読みやすく丁寧に書かれていた。

内容は衝撃的なものだった。

”私の知っていることをファジに教えます。それは、四方の四神を蘇らす方法です。四神は砕け、散らばってしまった翡翠の中にまだ生きています。それを翡翠の職人に集めさせ、すべてをくっつけあわせてください。それにより、中の四神は蘇ることができます。しかし、翡翠の職人はそう簡単に渡してもらえないと思います。きっと四神のことが噂に流れ、翡翠職人殺人が将来起こると思います。だから職人は警戒心を強くし、自分の信用する者、自分の知っている中で一番わかりにくい隠し場所に翡翠を隠すでしょう。ですから、ファジ。必死に探してください。見つかれば奇跡が起きることでしょう。そして、あなたの望む世界が作り上げれるでしょう。では、最後にある呪文を教えましょう。

[一つ目……大地に恋の歌が響けば、歯車が動き出す。太古より目覚めた朱雀は絆を求めるだろう。朱雀は玄武を呼ぶ。
二つ目……破壊と再生の気高き者。魂は嘘もなく美しい。大地を揺るがすだろう。定めより目覚めた玄武は白虎を呼ぶだろう。
三つ目……心に闇を抱えた恋を求む者。愚かさを嫌う若い少年は絆の行方を両手で抱きしめるだろう。天空より雷が落ちる。解放より目覚めた白虎は青竜を呼ぶだろう。
四つ目……終わりと始まりを見てきた者。教えよ貴方の記憶。聞けよ遠くにある貴方の記憶。逃げることは許されない。希望より目覚めた青竜は主人を呼ぶだろう”

あれから40年。

私は翡翠職人にすべてを話した。

翡翠職人はすぐに動いてくれた。私は、ジャリスを探した。

しかし、ジャリスを見つけることはできなかった。

その後、新聞でジャリスが火炙りにされたことが分かった。

その内容は、私にとってはとても衝撃的だった。

ジャリスは資本家と呼ばれる奴隷を扱っていた人たちに対して皆で反抗した中心人物となっていた。
蒼国と安国はジャリスを自分たちの敵と見て、火炙りにしたという。

なんとも、人は残酷なものだろうか。

私はあれからずっと翡翠を探していた。

しかし、見つかることはなかった。

そして、私は癌というものになった。

自分の体だから私でも分かる。

私は、もう長く持たないだろう。

ここで私はこの本を書くことにした。

将来、もし誰かが四方の四神に興味を持ってくれれば、私はとてもうれしく思う。

では、そろそろ眠りにつくとしようか。

最後に貴方は、四神を愛してくれるのか――――