太陽の竜と闇の青年

僕は王の声に驚いた。


目の前に座っているルイとトオタも驚いて目を見張っている。


ただ、王と王女だけが笑って僕たちをみていた。


あざ笑って、見ていた。


「こいつらはまだ餓鬼だが竜の民の生き残り。この二人の命さえ消えれば、竜の民は完全に滅びたことになる。そして、この私の名を歴史に刻むことができるのだ!」


ルウが王に牙を向いた。


王はそんなルウの頬を鞭で叩いた。


「刃向かうな!この狂犬めが!!」


ルイが我慢できない!というように立ち上がり、僕たちの前に立ちふさがった。


「……父上。いくらなんでもこれは許すことはできませんね。僕はずっとこの二人と一緒に会話をしてきましたが、この二人が恐ろしい者だとは到底思いません。父上は二人と話したことがないでしょうから分からないかもしれませんが……。竜の民は恐ろしくもなんでもありません。ただ人間が先に手を出してしまったために起きた事件……。竜の民は何も悪くはないのです!」


王がルイに叫んだ。


「ルイ!やはりお前だけは私に反論すると思っていた!何故だ?何故お前だけが私に刃向かう?自分の母親をいつの間にか殺されたからか?そうなのか?」


ルイがギュッと唇を噛みしめた。


…………僕たちと似ていた。


ルイの感情が僕たちとそっくりだった。


ルイは剣に手をかけると、叫んだ。


「この国から僕は去る!この二人と共に逃亡者となる!殺したければ殺すが良い!だが、この二人だけは必ず殺させはしない!」


ルイが僕たちの背中を押した。


僕たちは一生懸命走った。


飛んでくる矢をルイが切っていく。


トオタが何かを叫んだ。


悲痛な叫び声だった。


城門が見えてきた。


そこでルウが転んだ。


僕がルウを庇うようにして立った。


トオタが……トオタが僕たちを殺そうと剣を向けてきた。


やっぱり、トオタは追いかけて来たんだ……。


王に命令されたんだ。


トオタの顔は悲しく歪んでいた。


「あああああああああああ!!!!!!」


トオタは何かを叫んで剣を降りおろした。


あぁ……、もうダメだ……。


僕は死んだんだ。


そう思ってたのに……。


そうだと思いたかったのに……。


邪魔が入った。


僕の眼前に広がる紅と金髪。


僕たちがこの城にいた”家族”。


兄として慕っていた気がする。


そんな人が……僕を護った。


トオタのありえないほど歪んだ顔がくっきりと頭に鮮明に刻み込まれた。


その唇がゆっくりと言葉を紡いだ。


「あに…………うえ…………?」