太陽の竜と闇の青年

「ちょぉぉぉっと待てぇぇぇい!!!聞き捨てなぬぞ!!ルウ殿と結婚するのは壱殿じゃなくて、この俺様だぁぁぁぁぁ!!!」


ビシッと指をつきつけられた俺はどうすることもなく、曖昧に笑っていた。


もちろん故に突っかかるのは……。


「残念だけど九尾。君には彼女がいるんじゃなかったっけー?確か名前は夕夏っていったっけな?その子を裏切ってもいいのー?」


フウだ。


故はウッと言葉につまらせた。


「おっ?何だ何だ?故はどっちにつくんだ?」


マランがニヤニヤと笑いながら故に聞いた。


しかし……。


マランは禁句を言ってしまった。


「故?」


フウが眉をひそめて故をみた。


マランの顔が青ざめる。


「故って誰のこと?もしかして九尾?ねぇ九尾って故っていうの?」


故は質問攻めに合い、脂汗を大量にかいていた。


「いや、えっとー……っていうか……」


フウがニッコリと悪魔の笑みをうかべた。


「っていうか、なぁに?」


故は観念したようにフウに言った。


「俺様の本名は故だ!九尾っつーのは、ニックネームみたいなもん!!」


フウがニヤァ、と笑った。


「へぇ~。で?」


故は首を傾げた。


「で?って何が?」


フウは故に顔を近づけた。


「それをずっと何で僕に黙っていたのってことー。僕に殺されたいわけー?」


故の頬がピクピクと動いた。


体全身からフウを危険と感じているんだろう。


「ごめんっつってんじゃん!」


そう叫んだ故はとうとう人魂になり、消えてしまった。


フウは小さく舌打ちをしたあと、俺に抱っこされているルウを指さした。


「壱、さっさとルウをテントに返しにいきなよ。重いでしょ?まぁ、ルウは重くないかもしれないけど、腕が疲れるんじゃない?」


俺は小さくうなずいて、ルウのテントへと向かった。