太陽の竜と闇の青年

「ん?どうしたの?」


私がそう聞くと、壱の顔が歪んだ。


「ルウ…………」


そして、そのままグイッと引っ張られたと思うと、スッポリと壱の腕の中に包まれた。


「ななななな、なな何!?」


私が動転して混乱しているなか、私の耳に壱の吐息がかかった。


なんか、こそばい……。


「少しだけ…………」


何故か、壱のその言葉がいつもより幼く感じて、嫌とはいえなかった。


ギュッと腕に力を入れた壱から、何故かとても寂しい感情を感じて、私は思わず壱の背中に腕を伸ばしてしまった。


だけど、壱は拒否するのではなく、さっきよりも腕に力を込めてきた。


壱からは香のいい匂いがした。


「壱ー?どうしたのー?」


私が背中をさすりながら壱に聞くと、壱は私の頬に自分の頬をよせてきた。


「なんでもない……」


い、壱が甘えん坊になっておる!!


私はくすぐったいのを我慢して、壱に質問した。


「悪夢でもみたの?」


「……ん」


んー……。


壱って悪夢だけでこんなにも甘える人だっけぇ??


うん、でも、きっとすごく怖い夢だったんだろうなぁ。


「俺……ルウの髪大好きだ…………」


耳元で囁かれるように言われたものだから、私の顔は真っ赤になってしまった。


よよよよよかったぁ、壱がこっちみてなくて。


ってか、そんなことじゃない!


「なななな、何言ってるの!?」


すると、壱の長い指が私の髪に触れた。


「綺麗だ……」


な、なんちゅー甘い言葉!!


私が赤くなっているのにも気づかず、壱は続ける。


「光に光ってキラキラと光んだ。その時、ルウもいつもよりすごく綺麗にみえるんだ」


っ~~~~~~!


ダメだ……。


失神しそう……。


こんなこと言われたことないからどうすればいいのか分からないよ……。


「も……無理……」


私はぐったりと壱にもたれ掛かった。