[壱]
外で聞こえる会話に耳をすませていたが、フウの言葉だけは聞きたくなかった。
新国の第一王子、ルイは殺される。
殺したのはフウ……。
マランの言っていたことと結びついた。
フウがルイを殺したために殺人扱いされるようにきっとなるのだ。
俺が深いため息をついたとき、テントの中に誰かが入ってきた。
「壱ー?起きてるんなら話がしたいんだけど……いいかい?」
軽い口調だからすぐにわかる。
フウだ。
俺が起きあがると、フウはニコニコと人のよさそうな顔で俺に言った。
「あのさ……」
だが、俺がその先の言葉を止めた。
「フウが新国の第一王子、ルイを殺したというのは本当の話なのか?」
フウの眉がピクリとあがった。
「あぁ、うん。本当の話だよ」
俺はそうか、とつぶやいた。
「もしかしてさっきの聞いてたー?まぁ壱は耳がいいから聞こえるのも当たり前かぁ」
あっはっはー!と笑ったフウは自分のターバンをのけて俺に白銀の髪をみせた。
今思えば、昔のフウとルウの髪は白銀というよりも、まだ銀に近かった。
それは力が弱かったからというのが理由になるのかもしれない。
俺が考え込んでいるのをみたフウが不思議な模様の入った顔でこちらをのぞきこんだ。
「どーしたのさー。まだ体調優れない?」
俺は頭を振ってフウに聞いた。
「いや、別に何でもない。ところで、俺に用があるんだろう?」
フウはうなずいて、髪を指さした。
「僕、髪を切ろうと思うんだ。どう思う?」
もうずいぶんと長くなったフウの髪は一つに束ねてある。
「なぜそうしようと思ったんだ?」
俺はフウが髪を切ろうかと相談に来るのが意外すぎたもんだから、思わずそう聞いた。
フウが俺の髪を指さした。
「だって、壱が前断髪したのをみてさ。僕もそろそろ邪魔になってきたから」
そう。
俺は少し前にラカに断髪をしてもらった。
侍従というのは何でもできるもんで……。
かなりラカは腕前がよく、格好良く断髪してもらえた。
外で聞こえる会話に耳をすませていたが、フウの言葉だけは聞きたくなかった。
新国の第一王子、ルイは殺される。
殺したのはフウ……。
マランの言っていたことと結びついた。
フウがルイを殺したために殺人扱いされるようにきっとなるのだ。
俺が深いため息をついたとき、テントの中に誰かが入ってきた。
「壱ー?起きてるんなら話がしたいんだけど……いいかい?」
軽い口調だからすぐにわかる。
フウだ。
俺が起きあがると、フウはニコニコと人のよさそうな顔で俺に言った。
「あのさ……」
だが、俺がその先の言葉を止めた。
「フウが新国の第一王子、ルイを殺したというのは本当の話なのか?」
フウの眉がピクリとあがった。
「あぁ、うん。本当の話だよ」
俺はそうか、とつぶやいた。
「もしかしてさっきの聞いてたー?まぁ壱は耳がいいから聞こえるのも当たり前かぁ」
あっはっはー!と笑ったフウは自分のターバンをのけて俺に白銀の髪をみせた。
今思えば、昔のフウとルウの髪は白銀というよりも、まだ銀に近かった。
それは力が弱かったからというのが理由になるのかもしれない。
俺が考え込んでいるのをみたフウが不思議な模様の入った顔でこちらをのぞきこんだ。
「どーしたのさー。まだ体調優れない?」
俺は頭を振ってフウに聞いた。
「いや、別に何でもない。ところで、俺に用があるんだろう?」
フウはうなずいて、髪を指さした。
「僕、髪を切ろうと思うんだ。どう思う?」
もうずいぶんと長くなったフウの髪は一つに束ねてある。
「なぜそうしようと思ったんだ?」
俺はフウが髪を切ろうかと相談に来るのが意外すぎたもんだから、思わずそう聞いた。
フウが俺の髪を指さした。
「だって、壱が前断髪したのをみてさ。僕もそろそろ邪魔になってきたから」
そう。
俺は少し前にラカに断髪をしてもらった。
侍従というのは何でもできるもんで……。
かなりラカは腕前がよく、格好良く断髪してもらえた。

