太陽の竜と闇の青年

起きあがったと思ったら、突然そんなことを聞かれた。


なぁーんか、いつもと違う……。


でも顔が真剣だから私も真剣に答えないとって思ってしまった。


「死んでしまったら優しくすることもされることもできない。だけど私は……王族を殺したいと思っている。庶民や異質の者を蔑み、敵を作らなければ生きていけない愚かな王族。力のある異質者たちを権力でおさえつけ守るべき民を己の私利私欲のために駒にしてしまう王族が腐るほどいる。それは私とフウが身をもって知ったこと。この髪色から悲しい思いも悔しい思いも寂しい思いもしてきた。それは今でも同じ。でも今はすごくいい王族もいると思う。風国は元からよかったし、鎖国をしていた和国だって本当はすごくいい国で過ごしやすかった。蒼国の王子、リクだって実はやさしかったし、まぁ安国はどうかとは思うけど……。大四国には入れないけど幡国みたいな小さな国だっていい王族はいた。だから少しは殺したくないと思っている自分もいる。でも殺したいと思う自分もいる。だから今、私はどちらにつくべきなのか葛藤しているの。答えがでるまでずっと」


そう言ってから私は自分の頬をポリポリとかいた。


「ま、今は今を楽しめればいいんだけどね」


えへへーと笑った私を壱はなぜか悲しそうにみた。


「壱?どうしたの?調子が悪いの?なんか、いつもと違うよ?」


私が壱にそう指摘すると、壱は突然礼儀正しく座った。


そして、


「ルウが苦しい思いをしていた時、俺はきっと贅沢をして生きていたと思う。ルウとフウがどんな仕打ちをしてきたのかもしらずに。俺だけが贅沢していた。他の奴らのことなんて考えずに。そんな馬鹿な俺を許してくれ」


と、突然謝ってきた。


あまりに突然のことだったから、私はしばらく呆然としてしまった。


ていうか、何でそんなこと言うんだろう……?


「別にいいよ。だってまだ小さい頃だよ?物心ついていないときにそんな周りのことなんて気にすることはできないよ。それにさ、さっきも言ったように今さえ楽しければいいんだって!ね?ほらほら、壱もさ、そんなかたっくるしいことなんて言わないで、寝不足改善したほうがいいよ」


私はそう言ってもう一度壱を布団に寝かせた。


壱が静かになったのをみて、私はテントからでた。


するとテントにでたところでフウに出会うとつぶやくように言ったんだ。


「私、ルイとトオタのこと思い出しちゃった」


フウは小さくため息をついた。


「僕なんて夢に毎日でてくるよー」


私が驚いてフウを見上げると、フウは微笑を浮かべた。


「トオタもルイもいい奴だったよねぇー」


私も微笑を浮かべる。