太陽の竜と闇の青年

――――――――「その餓鬼を殺せ」


その言葉に少女の体がガクガクと震えた。


陛下が指示すると、周りにいた兵士が二人をどこかに連れていった。


それでも少年は叫び続けた。


「おまえ等がどんなに手を伸ばしても竜の民には届かない!僕たちは乗り手のいない孤独な竜だ!それは変わらない!変わることはない!昔も今も―――これからもだ!」


その言葉に皆がピタリと動きを止めた。


その沈黙を破ったのは、トオタだった。


「お前等、死んでもいいと思ってんのか?」


二人はうなずいた。


そして、逆に問い返した。


「貴方は何でこの国の一つの駒にすぎないというのに生きたいと願うんですか?」


トオタはこの言葉にウッとつまった。


「それは貴方が王族として何一つ不自由なく過ごしているからですよね?」


「だから不幸だとも何も思わない」


トオタは声を荒げた。


「お前等不気味だよ。死んでもいいっていうし、お前等の心、歪みまくりじゃねぇか」


トオタは少年と少女が恐ろしかった。


その反面、どこか少年と少女を哀れに思っていた。


その時、少女が目を眇め、三人をみた。


「恐れながら、歪みまくりなのはこの世界なのではないでしょうか?」


少女の言葉に皆が黙った。


「何だと……?」


国王が驚愕した顔で少女をみた。


「私とフウの心が歪んでしまったのは竜の民だからというわけではありません。この薄汚れた世界のせいだからです」


その瞬間、側にいたトオタの母が叫んだ。


「何をふざけたことを!!!!!この世界は今、世界を造り上げていくこの国王のおがげで立派に成長しているのですよ!!!!」


少女はその言葉にあはははは!と笑った。


初めて笑った顔をみたトオタとルイは背筋が凍り付くのを初めて覚えた。


少女の笑った顔は楽しそうだったが、その中に何かドス黒いものが隠れていたのだ。


笑い終えた少女はキッとトオタの母を睨んだ。