太陽の竜と闇の青年

[壱]


その日はまだ風国につくことができなかった。


そのため、テントを張り、野宿となった。


皆が寝静まり、俺が見張りとなったとき、ここぞとばかりにマリオネットが声を発した。


「見張りなんてつまんないでしょ?みる?」


俺はフッとため息をついた。


今日はまだ一度もみていない。


体力には余裕がある。


でも知ってしまうのが怖い気がした。


「何を迷っているの?今日は少女のほうの感情だよ?」


ルウの感情……?


俺はうなずいてしまった。


ルウがどんな思いをしてきたのかを知りたいかばかりに。


また心臓が跳ね上がる。


いい加減、コイツにも慣れないとな……。


その時、気配を感じて俺は瞼を持ち上げた。


「おっ今はお前が見張りか」


顔をのぞかせたのはターラだった。


ちょうどいい。


聞いてみよう。


「マラン、お前は何百年と生きてきたんだよな?」


マランは煙草を取り出しながらうなずいた。


「あぁ。不老不死だからな」


「ならば、ルウが新国に送られた時のことは知っているか?」


その瞬間、ポトリとマランの手から煙草が落ちた。


「あ?お前何でそれを知っているんだよ」


「みたんだ」


「チッ。マリオネットかよ……。あぁ、知っている」


マランは新しい煙草を取り出した。


「俺にはわからないことがある。ルウとフウは初め、古国の王女とその侍従だったはずだ。なぜ新国に送られ、新国の王女をすることになったんだ?」


マランは煙草に火をつけた。


「あぁ。それね。古国には王子しかいなくて王女が不在だったんだ。そんな時、新国から姫君がほしいと依頼がきた。その内容は姫君をもらうかわりに、古国と新国が和平を結ぶっつーもんだったわけ。だから、古国の王は早急に姫君を作るために、奴隷の中から顔の良いものを選び連れてこいっつたわけ。それが偶然か必然か、ルウだった。白銀の髪だったのは想定外だったらしくて、黒髪を選ぶのも時間がかかるっつーことで、もうルウにしちまえー!って感じでルウを新国に送ったんだよな。あちら側も姫君が竜の民だとは思ってもいなかっただろうな。あんときゃぁ新国に送られた銀髪の異質な姫はいつ殺されるのかと国民の間では早くも囁かれていたもんだよ。性格はすっげぇいい奴らだったのにな」


俺は首を傾げた。